急性糸球体腎炎の「補体」とは何ですか？
補体とは体の免疫のシステムの一部で、糸球体腎炎の発症に関わることがあります。
補体とは、体の免疫(防御)システムの一部で、細菌やウイルスなどの異物を攻撃する働きを持つタンパク質の集まりです。補体は血液中に存在し、感染や炎症が起こると活性化されて、異物を排除したり、炎症反応を引き起こします。
急性糸球体腎炎では、感染症（特に溶連菌など）や免疫の異常によって補体が過剰に活性化され、腎臓の糸球体に炎症や障害をもたらします。補体の活性化は、腎臓の組織や血液検査で補体成分（CH50、C3、C4など）の低下として現れることがあり、病気の活動性や重症度の指標となります。
補体の異常な働きは、腎臓の炎症を悪化させるだけでなく、慢性腎臓病への進行にも関係します。最近では、補体の働きを抑える治療薬も開発されており、腎臓病の新たな治療標的として注目されています。
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(参考文献)
S J Chadban et al.“Glomerulonephritis”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15910953/,(参照 2025-11-12).
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Joshua M Thurman.“Complement and the Kidney: An Overview”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32553250/,(参照 2025-11-12).
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虎の門病院分院 腎臓内科
大庭 悠貴 監修
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