小細胞肺がんは転移していても治りますか?
早期のうちに見つかれば治る可能性があります。
小細胞肺がんは、進行速度が速く、早い段階からリンパ節転移や遠隔転移を認める悪性度の高いがんで、75%程度の患者さんは診断時すでにステージⅢ以上にまで進行しています(Ⅰ~Ⅳに分類)。
放射線や抗がん剤などの治療が効きやすいタイプのがんである一方で、治療が効いてもその後再度悪化したり再発することも非常に多く、診断された時点ですでに完治は期待できない状態の方が多いのが現状です。
ただし、健診などで早期の段階(ステージⅠ~ⅡA)で見つけることができれば、完治する可能性があります。この場合、手術と術後の抗がん剤治療により完治(もしくは長期生存)する例が報告されており、手術をした患者さんの5年生存率(※)は40~70%程度です。また、手術を行わない場合も、完治を目指した化学放射線治療(抗がん剤と放射線治療の組み合わせ)が行われます。
完治の見込みの有無に関わらず、治療を行うことでがんの進行を遅らせることができます。がんの広がりや患者さんの状態によって勧められる治療が異なりますので、詳細は主治医とよく相談してください。小細胞肺がんの治療方法についてはこちらもご参照ください。
※5年生存率:5年後に生存していた患者さんの割合
公開日:
最終更新日:
京都大学医学部附属病院呼吸器内科 呼吸器内科
渡邉 アヤ 監修
(参考文献)
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