ステージ4の小細胞肺がんでは、どのような抗がん剤が使用されますか?
細胞障害性抗がん薬の多剤併用が基本で、状態がよければ免疫チェックポイント阻害薬の併用もあります。
ステージ4(Ⅳ期)の小細胞肺がんでは、全身に作用する薬物療法が治療の中心です。ここでは、初回治療で主に使われる抗がん薬と、免疫チェックポイント阻害薬を組み合わせる治療について紹介します。
小細胞肺がんのステージ4と進展型とはどのような状態?
小細胞肺がんでも、Ⅰ〜Ⅳ期の病期(ステージ)を用います。ステージ4は、離れた臓器や反対側の肺への転移、胸膜・心膜への転移、悪性胸水・悪性心嚢水などがある状態です。
また、治療方針を検討する際には、がんの広がりを次の2つにも分類します。
- 限局型:がんの広がりが、がんのある側の胸郭内と、反対側の縦隔(じゅうかく:左右の肺にはさまれた部分)や鎖骨の上のリンパ節までに限られ、がんによる胸水や心嚢水(しんのうすい:心臓の周りにたまる水)がない状態
- 進展型:限局型の範囲を超えてがんが広がった状態
ステージ4の小細胞肺がんは、進展型に分類されます。
ステージ4の小細胞肺がんで使用される抗がん剤の種類
初回治療では、プラチナ製剤と呼ばれるシスプラチンやカルボプラチンに、別の抗がん薬を組み合わせます。主な組み合わせは次のとおりです。
- シスプラチン+エトポシド
- カルボプラチン+エトポシド
- シスプラチン+イリノテカン
現在は、全身状態が良好であれば、プラチナ製剤とエトポシドに免疫チェックポイント阻害薬を加える治療が標準となっています。抗がん薬のみで治療する場合には、全身状態などに応じて、上記の組み合わせを検討します。
薬の選択は年齢だけでは決まりません。全身状態や腎機能、持病、副作用のリスクなどを踏まえて判断します。
小細胞肺がんで免疫チェックポイント阻害薬を併用するのはどんなとき?
全身状態の指標であるPS(パフォーマンス・ステータス)が0〜1の場合、初回治療として、プラチナ製剤とエトポシドにPD-L1阻害薬を加える治療が強く推奨されています。PD-L1阻害薬は、免疫ががん細胞を攻撃する働きを助ける薬です。
主な組み合わせは次のとおりです。
- カルボプラチン+エトポシド+アテゾリズマブ
- シスプラチンまたはカルボプラチン+エトポシド+デュルバルマブ
これらの治療では、抗がん薬のみの場合と比べて生存期間の延長が示されています。併用治療後は、効果や副作用を確認しながら、免疫チェックポイント阻害薬のみを続ける維持療法を行います。
全身状態が低下している場合や、免疫チェックポイント阻害薬の使用が難しい場合は、抗がん薬のみの治療などを検討します。治療による負担が大きいと判断される場合には、症状を和らげる治療やケアを中心とすることもあります。
小細胞肺がんの抗がん剤治療を進めるうえで大切なこと
治療の組み合わせは、病状や全身状態などに応じて選びます。最初の治療後に再発したり、がんが進行したりした場合も、それまでの治療効果や再発までの期間、全身状態などを踏まえて、薬物療法を検討します。
また、痛みや息苦しさ、不安などを和らげる緩和ケアは、がんの治療と並行して受けられます。治療方針に迷いや不安があるときや、気になる症状があるときは、担当医や看護師に相談してください。
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(参考文献)
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国立がん研究センター がん情報サービス『肺がん 小細胞肺がん 治療』https://ganjoho.jp/public/cancer/lung/treatment_sclc.html.(参照 2026-09-15).
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京都大学iPS細胞研究所 呼吸器内科
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