狂犬病の場合、日常生活で気を付けることはありますか?

特に、流行地では動物に近づかないこと、もし咬まれるなどした場合には発症予防が重要です。すぐに医療機関を受診してください。

解説

狂犬病は、一度発症すると効果的な治療法はなく、ほぼ100%の方が亡くなります。
流行地へ渡航する際、特に動物に多く接することが分かっている場合などは、事前にワクチン接種をしておくことをおすすめします。流行地では、動物(特に犬、ネコ、コウモリなど)にむやみに近づかないことが重要です。

実際に、流行地で動物に咬まれたなどで感染の疑いがある場合でも、発症する前に感染しているかどうかを調べることはできません。疑われる場合は、狂犬病ワクチンや免疫グロブリン(抗体)を用いた発症予防(曝露後予防)が行われますので、すぐに医療機関を受診してください。
曝露後予防としてのワクチン接種は、1回ではなく間隔をあけて複数回行われます。個人の状況によって接種スケジュールは異なりますが、医師に指示されたスケジュールを必ず守るようにしてください。(スケジュールを飛ばしてしまったことに気付いた場合は、できるだけ早く接種するために、1日でも早く受診してください)

事前にワクチン接種を受けていても、感染の疑いがある場合には曝露後予防が行われますので受診が必要です。
咬まれたあとに曝露後予防をしておらずに数ヶ月~1年以上たっていたとしても、その時点から曝露後予防を行うべきとされています。過去の渡航中の出来事などで心配なことがある場合は、保健所や医療機関で相談してください。

通常の生活において、狂犬病が人から人に感染した報告はこれまでありません。そのため、感染の疑いがある場合でも、特に日常生活の制限はありません。ただし、発症が疑われる症状が出た場合には、すぐに保健所や医療機関で相談してください。

国内で狂犬病のワクチン接種を受けられる医療機関は、検疫所のホームページで検索できますので、参考にしてください。

公開日

最終更新日

京都大学医学部附属病院呼吸器内科 呼吸器内科

渡邉 アヤ 監修

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