ステージ3の非小細胞肺癌の場合、治療中の食事で気をつけることはありますか?
非小細胞肺がんの治療中は、栄養状態の維持と抗酸化・抗炎症作用のある食事が重要です。
非小細胞肺がんの治療中、食事は非常に重要です。化学療法や放射線療法は、吐き気、食欲不振、疲労などを引き起こし、体重が減ったり、栄養が不足したりする可能性があります。
栄養が不足すると、治療の効果が落ちたり、手術後の合併症のリスクが高まると考えられています。
そのため、治療中は以下のような点に注意し、栄養状態を良好に保つことが大切です。
バランスの取れた食事
栄養士による個別のアドバイスが、体重や全身状態の改善に役立つことが示されています。
抗酸化作用や抗炎症作用のある食品の摂取
- 果物、野菜、全粒穀物、豆類、ナッツ類:これらは多くの「抗酸化物質」(体を酸化から守る成分)、食物繊維、ミネラル、そして「植物性化学物質」(植物由来の体に良い成分)を含み、炎症や酸化ストレスを減らすのに役立ちます。
- 魚、特に青魚:オメガ3脂肪酸が豊富で、炎症を抑える作用が期待できます。
- オリーブオイル、ひまわり油:抗酸化作用のあるビタミンE(α-トコフェロール)などが含まれます。
- ターメリック(クルクミン)、黒コショウ(ピペリン)、シナモン(ケイヒアルデヒド)などの香辛料、トマト(リコペン)、緑茶(フラボノイド):これらも炎症を抑えたり、酸化を防ぐ成分を含みます。
- 卵、発酵乳製品:抗酸化作用や免疫を調整する作用が期待できます。
- セレン、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンB群(特に葉酸やビタミンB12)、マンガン、マグネシウム、ナイアシン:これらも栄養補助食品として炎症や酸化ストレスを減らすのに役立つ可能性があります。
避けるべき食品
赤身肉や加工肉は、がんの発生を促進する可能性があります。高温で調理すると発がん性物質が生成されることがあるため、摂取を控えることが推奨されます。
これらの食事の工夫は、治療による身体への負担を軽減し、免疫機能を保ち、治療効果を高め、全体的な生活の質を改善することに貢献すると考えられています。
京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
(参考文献)
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