高齢者が悪性リンパ腫の治療をしないとどうなる?余命や生存率はどのくらい?

監修医師本間 雄貴一般内科 / 富士在宅診療所

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高齢者が悪性リンパ腫にかかった場合、延命治療しないとどうなりますか?余命はどのくらいですか?

全身状態が良好な高齢者が治療を行わない場合は、余命が短くなる可能性があります。

悪性リンパ腫、特に非ホジキンリンパ腫(NHL)は、60歳前後で発症することが多く、高齢者に多い病気です。

NHLの中でも、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は最も多く、高齢であることが治療の難しさに影響します。

高齢患者さんの治療では、副作用を最小限に抑えるために、支持療法(G-CSFや制吐剤、抗菌薬剤など)を積極的に行います。

治療法としては、R-CHOP療法が標準的で、80歳までの患者さんに対しても有効です。

例えば、初めてびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)と診断された80歳までの患者さんで、全身の機能が良好で大きな合併症がない場合、R-CHOP療法を8コース(標準治療)行うことで、5年間で病気が進行しない確率は54%、全体の生存率は58%と報告されています。

一方で延命治療しなかった場合の余命については、高齢者の全身状態や合併症の有無によって大きく異なるため、具体的なデータは報告されていません。

しかし、全身状態が良好であれば治療を行うことで余命が延びる可能性がありますが、治療を行わない場合は余命が短くなる可能性があります。

ただし、その余命は患者さん個々の全身状態、合併症、病変の広がりなどによって大きく異なるため、実際には主治医と相談の上で判断が必要です。

高齢者の場合、余命(生存率)はどのくらいですか?また、治療を受けた時、若い人と効果に差はありますか?

高齢の患者さんでは若い人よりも生存率が低いという報告があります。

悪性リンパ腫、特に非ホジキンリンパ腫では、若い人に比べ、年齢層が上昇するごとに完全奏効率は低下します。

若い人では68%の完全奏効率(腫瘍の消失)は、高齢者では45%であり、全生存率も加齢とともに低下するとの報告があります(2010年報告)。

これは、患者さんが高齢の場合には合併症や臓器機能の低下や薬物代謝・排せつの遅延などから治療への配慮が必要であるため、若い人と同等の治療強度で治療できず、弱い治療を行う傾向にあることが原因として考えられます。

合併症がない場合では、70歳以下の患者さんと71歳以上の患者さんで生存の差はないと報告されています。

高齢者の場合、ホジキンリンパ腫を治療しないことはありますか?

高齢者の場合、体調や希望によりホジキンリンパ腫の治療を行わない選択がされることがあります。

高齢者の場合、ホジキンリンパ腫を治療しないことはありえます。

新たに診断された高齢ホジキンリンパ腫患者さんの治療目標は、可能な限り根治であり、複数の研究から得られている結果によると、いくつかの多剤併用化学療法(複数抗がん剤を組み合わせた治療法)を用いることで、すべての病期において根治が可能であることが示されています。

例えば、高齢者では標準的な化学療法であるABVD療法に含まれるブレオマイシンという薬剤による肺毒性が高いことから、この薬剤を除いたAVD療法にブレンツキシマブ ベドチン(BV)を併用という選択肢もありえます。

一方で、ノルウェーの高齢ホジキンリンパ腫患者さんの研究では、60歳以上の患者さんにおいて32%が治療を受けなかったという報告があります。

これらの患者さんには、ご本人の意向による場合、心不全、腎不全、認知症など、化学療法に耐えられないと判断される場合、治療による延命よりもQOL(生活の質)が低下するリスクが高いと考えられる場合などがあり、痛みの治療や症状緩和が中心となります。

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