陰茎がんのステージIIIでは、どのような治療を行いますか?
原発巣治療に加え、リンパ節転移に応じた鼠径リンパ節郭清が行われます。
陰茎がんのステージIIIは、がんが陰茎の比較的深い部分におよんでおり、さらに鼠径部(足の付け根)のリンパ節のみに転移している状態で、陰茎と転移したリンパ節に対して治療を行って、がんを確実に除去します。
陰茎の腫瘍に対する手術
ステージIIIの中でも進行していると考えられる場合は、主に陰茎部分切断術や陰茎全切断術を行います。
比較的早期のがんで、綿密な経過観察ができる患者さんには、陰茎の一部を残す「陰茎温存手術」も選択肢となります。陰茎温存手術は、陰茎切断術に比べて局所再発の可能性は高いですが、長期的な生存率には大きな差がないと考えられています。
リンパ節に対する治療
基本的にリンパ節も取る手術を行いますが、合併症の危険性もあるので、下記のようにいろいろなケースに分かれます。
触れるとわかるリンパ節の腫れがあったとしても、その30~50%はがんの転移ではなく、感染によるケースもあり、麻酔をしたうえで、針を刺して細胞を調べる「穿刺吸引細胞診(FNAC)」でがん細胞の有無を確認します。
FNACでがんの転移が確認された場合は、鼠径部のリンパ節全体を取り除く「鼠径リンパ節郭清術(ILND)」を行います。ただし、CTや陰茎がんの悪性度によっては、FNACによるがんの播種のリスクを踏まえてFNACせずにILNDすることもあります。
片側のリンパ節のみに腫れが見られる場合でも、腫れていない側のリンパ節もがんの広がりを調べるための手術が検討されます。
手術中にリンパ節転移の状況を病理部の先生に確認してもらい、リンパ節の転移が進んでいると判断されると、さらに体の奥にある骨盤内のリンパ節も取り除く「骨盤リンパ節郭清術(PLND)」を検討します。
放射線治療
術後の補助療法として放射線治療が行われることがあります。再発時にも放射線治療が選択肢となりますが、手術が優先される場合もあります。
手術治療が困難な時
手術に耐えられない場合や、手術によって筋力が著しく低下する可能性がある場合は、放射線化学療法が選択されることもあります。
ステージIIIの陰茎がんは、原発巣のT分類(がんの広がり)はT1からT3までですが、領域リンパ節(鼠径リンパ節)のみに転移が認められる状態(N1またはN2)を指します。
この記事では一般的な医療情報をご紹介しています。一方で、医療AIパートナー「ユビー」を使うと、あなたの病状や状況に合わせて、より具体的で役立つ情報をお伝えできます。

陰茎がんの悩みにユビーが答えるよ🌱
まずは気になる項目を選んでください
利用規約とプライバシーポリシーに同意のうえご利用ください。
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
(参考文献)
こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。
この記事をシェアする
治療が必要な患者様へのお願い
陰茎がん
の方は説明を必ずお読みください
こちらのQRコードを
スマーフォンのカメラで読み取ってください
QRコードを読み取るだけ 非接触で安心
一問一答なので 読むのが簡単
どんな治療をするべきか 納得して取り組める
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ医療AIパートナー ユビー
24時間いつでも健康の悩みを気軽にチャットで相談できるあなただけの医療AIパートナー。なんとなく不調な時や人に相談しづらい悩みがあるときも、どんな相談もOKです