悪性中皮腫は完治する可能性はありますか?
悪性中皮腫は完治する可能性がまったくないとは言い切れませんが、その可能性は低いです。
悪性中皮腫が完治する可能性はまったくないとは言い切れませんが、現在の医学ではその可能性は非常に低いとされています。
悪性中皮腫は、内臓を包む膜に存在する中皮細胞ががん化することで発症する病気で、主に以下の部位に発生します:
- 胸膜(悪性胸膜中皮腫): 約80~85%
- 腹膜(悪性腹膜中皮腫): 約10~15%
心膜や精巣鞘膜に発生する場合はまれです。
一般的には非常に予後の悪い病気とされ、胸膜中皮腫の5年生存率は約12%(2023年12月報告)と報告されています。
ただし、治療の進歩により長期生存が可能な例もあります。例えば、イタリアの研究では薬物治療によって10年以上生存した患者さんが報告されています。
現在、長期生存を目指す治療として外科手術や、免疫療法を含めた薬物治療、放射線治療が組み合わされることがあります。
ただし、長期生存の可能性は患者さんの年齢、全身状態、腫瘍の広がり、治療への反応性など、さまざまな要因に左右されます。
悪性中皮腫は完治が難しい病気ではありますが、治療の進歩により長期生存を目指すことは可能です。
治療法や今後の予後については、担当医と十分に相談し、最新の治療情報に基づいた選択をすることが大切です。
京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
(参考文献)
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