大腿骨頸部骨折での人工骨頭置換術とはなんですか?
骨折した大腿骨頭を人工物に置き換える手術で、転位の強い骨折に多く選択されます。
人工骨頭置換術は、骨折した大腿骨頭(太ももの骨の球状の上端部)を金属などでできた人工物に置き換える手術です。この手術は主に以下のような特徴があります。
- 適応: 主に高齢者(75歳以上)の転位のある大腿骨頸部骨折に対して選択されます。特に骨頭の血流が途絶えるリスクが高い骨折型(Garden分類のⅢ型・Ⅳ型など)に適応されることが多いです。
- 手術方法: 股関節を切開し、骨折した大腿骨頭を取り除き、大腿骨の髄腔に金属製のステムを挿入し、その上に人工骨頭を取り付けます。寛骨臼(骨盤側の関節窩)はそのまま残します。
- メリット: 骨接合術と比較して、早期荷重が可能で、再手術率が低いことが挙げられます。また、人工股関節全置換術(THA)と比べて手術侵襲が小さく、脱臼リスクが低いとされています。
- デメリット: 長期的には、人工骨頭と寛骨臼の軟骨との摩耗が生じる可能性があります。また、人工物を使用するため感染リスクがあります。
- 術後管理: 一般的に術後早期(翌日から)の離床と荷重が許可されることが多く、早期リハビリテーションが可能です。ただし、脱臼予防のため、過度の屈曲、内旋、内転などの禁忌肢位に注意する必要があります。
人工骨頭置換術は、高齢者の大腿骨頸部骨折に対して、広く行われている標準的な治療法のひとつですが、患者さんの年齢、活動性、骨折型、全身状態などを考慮して、骨接合術や人工股関節全置換術との選択が個別に検討されます。
まつだ整形外科クリニック 整形外科
栗原 信吾 監修
(参考文献)
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