重症筋無力症に関係する抗体について教えてください。
アセチルコリン受容体抗体と筋特異的受容体型チロシンキナーゼ抗体があります。
アセチルコリン受容体(AChR)抗体と筋特異的受容体型チロシンキナーゼ(MuSK)抗体があります。日本の重症筋無力症全体の約80〜85%がAChR抗体陽性で約5%がMuSK抗体陽性であると言われています。残りの約10〜15%がdouble seronegativeの重症筋無力症と言われます。
AChR抗体がどのようにして作られてしまうのかは、まだ解明されていません。AChR抗体が重症筋無力症を引き起こす機序については、免疫反応を引き起こすことで、AChRの数が減少してしまい、アセチルコリンという神経から筋肉へ指令を送る物質が、うまく働かなくなることで起こると考えられています。
一方、MuSK抗体が重症筋無力症を引き起こす機序は、AChRの凝集、つまりアセチルコリンが結合しやすいようにAChRが集まることを阻害すると考えられており、これにより上記と同様に、神経から筋肉へ指令を送る物質がうまく働かなくなります。


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新百合ヶ丘総合病院 脳神経内科
武井 悠香子 監修
(参考文献)
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