肝内胆管癌の腫瘍マーカーについて教えてください。

肝内胆管癌では、CEAやCA19-9などの腫瘍マーカーを調べます。これらは、がん細胞やがんに反応した細胞がつくる物質であり、がんの診断補助や治療の効果判定に用いられます。

ただし、腫瘍マーカーには次の注意点があります。

①がんであっても上昇するとはかぎらない

腫瘍マーカーはがんの進行にともなって上昇する傾向があります。しかし、すべてのがんで上昇するわけではありません。
ある調査によると、肝内胆管癌においてCEAの上昇率は33.6%、CA19-9の上昇率は54.1%でした。
つまり、CEAやCA19-9が正常値でも、肝内胆管癌を否定することはできません。

②がん以外の要因で異常値を示すことがある

腫瘍マーカーは、がん以外のさまざまな要因で上昇します。

• CEA：喫煙、糖尿病、喘息、慢性閉塞性肺疾患（COPD）、間質性肺疾患、肝炎、肝硬変など
• CA19-9：慢性閉塞性肺疾患（COPD）、間質性肺疾患、肝炎、肝硬変、胆石症、胆管炎など

このように、CEAやCA19-9が上昇していても、がんが原因とは限りません。

③さまざまながんで上昇する

CEAやCA19-9は、肝内胆管癌以外のがんでも上昇します。

• CEA：胃がん、大腸がん、膵臓がん、子宮頚がん、乳がん、肺がんなど
• CA19-9：胃がん、大腸がん、膵臓がんなど

肝内胆管癌の診断のためには、腫瘍マーカーだけではなく、画像検査や病理検査も合わせて、総合的に判断する必要があります。