高プロラクチン血症の症状で吐き気が出ることはありますか?
はい、あります。原因が大きな下垂体腫瘍の場合、その圧迫による頭痛に伴い吐き気が生じることがあります。薬の副作用の場合もあります。
はい、高プロラクチン血症の患者さんにおいて、吐き気(悪心)の症状が現れることがあります。ただし、これはプロラクチンホルモン自体が直接引き起こす典型的な症状というよりも、主に高プロラクチン血症の原因となっている病態や治療薬の副作用に関連して起こることが多いです。
原因となっている下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)の影響
高プロラクチン血症の最も多い原因は、プロラクチンを産生する良性の下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)です。この腫瘍が1cmを超えるような大きさ(マクロアデノーマ)になると、周囲の脳組織や神経を圧迫し、頭蓋内の圧力を高めることがあります。その結果、持続的な頭痛に加えて、吐き気や嘔吐を引き起こすことがあります。
治療薬の副作用
高プロラクチン血症の治療に使われるドパミン作動薬(カベルゴリンやブロモクリプチンなど)は、特に飲み始めの時期に副作用として吐き気が現れることがあります。これは、体が薬に慣れるにつれて次第に軽減していくことがほとんどです。
他のホルモンバランスの乱れ
プロラクチンが高い状態は、他のホルモンバランスにも影響を与え、自律神経の不調につながることがあります。その結果として、吐き気や倦怠感を感じる方もいます。
このように、吐き気は高プロラクチン血症の兆候の一つである可能性があります。特に、頭痛や視野の異常(見えにくいなど)を伴う場合は、大きな下垂体腫瘍の可能性も考えられるため、早めに内分泌内科や脳神経外科を受診し、精密検査を受けることが重要です。
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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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