自閉症の場合、口に手を入れるのはなぜですか?
感覚刺激の補充や不安軽減のために起こる自己調整行動であることが多いです。
自閉スペクトラム症の場合、口に手を入れるのは、感覚や気持ちを落ち着かせるための行動であると考えられます。
自閉スペクトラム症(感覚や対人関係に特性がある発達障害)では、口に手を入れる行動は感覚や情動を調整するための自己調整行動としてみられることが多いです。
例えば、自閉スペクトラム症では、感覚処理の偏り(刺激に敏感または鈍い状態)があり、口は感覚受容器(刺激を感じる部分)が豊富なため、噛む・吸うことで強い感覚入力を得て、不安や過剰な刺激(音・光・人混みなど)を和らげる役割があります。
このような行動は自己刺激行動(繰り返すことで神経の働きを整える行動、いわゆるスティミング)と呼ばれ、集中を保つ、体の感覚(自分の体の位置や状態)を把握する目的でも行われます。また、言葉での表現が難しい場合に、不快や退屈を示す非言語的手段として現れることもあります。
ただし、この行動は自閉スペクトラム症に特有ではなく、乳幼児の発達過程やストレス、歯の生えかけでもみられるため、頻度や持続、他の発達特性と合わせた評価が重要です。
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(参考文献)
Chaware SH, et al. The Systematic Review and Meta-analysis of Oral Sensory Challenges in Children and Adolescents with Autism Spectrum Disorder. J Int Soc Prev Community Dent. 2021, 11, 469-480.
Samsel CB, et al. Nelson Textbook of Pediatrics. 22nd ed. Philadelphia, PA: Elsevier. Nelson Textbook of Pediatrics. 2025, Chapter 36, 240-241.e1.
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宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
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