糖尿病が重症になると、どのような症状が発症しますか?

手足のしびれや視力低下、足のむくみが現れ、進行すると強い脱水や意識障害に至ることもあります。

糖尿病は血糖値が高い状態が長く続くことで、全身のさまざまな臓器に障害を引き起こす病気です。重症化すると、手足のしびれや視力の低下、足のむくみといった症状がゆっくり現れ、さらに血糖値が極端に高くなると、強い脱水や意識障害といった急な症状が起こることもあります。ここでは、糖尿病が重症化した場合に現れる主な症状を解説します。

糖尿病の高血糖による症状

血糖値が著しく高くなると、次のような自覚症状が現れることがあります(糖尿病情報センター)。

  • 喉の渇き(口渇)や 水分を多くとる(多飲)
  • 尿の量や回数が増える(多尿)
  • 食べているのに体重が減る
  • 疲れやすくなる(全身倦怠感)

これらの症状は初期には軽いことが多く、自覚しにくいまま進行する場合があります。

手足のしびれ・視力低下・むくみ|三大合併症で現れる症状

高血糖の状態が長期間続くと、細い血管(細小血管)が傷つき、以下の3つの合併症が起こりやすくなるとされています(糖尿病診療ガイドライン2024)。

  • 糖尿病性神経障害:手足のしびれやピリピリとした痛み、感覚が鈍くなるなどの症状が現れます。足先から左右対称に始まることが多いとされています
  • 糖尿病性網膜症:目の奥にある網膜の細い血管が傷つき、視力が低下することがあります。進行すると失明に至る場合もあります
  • 糖尿病性腎症:腎臓の血管が傷つくことで腎臓のはたらきが低下し、むくみや倦怠感が生じます。さらに進行すると人工透析が必要になることもあります

胸の痛みや手足の麻痺|太い血管が傷むことで現れる症状

糖尿病は動脈硬化(血管の壁が厚く硬くなる状態)を進めやすく、脳卒中や心筋梗塞(しんきんこうそく)といった大きな血管の病気のリスクが高まるとされています(Diabetes Care. 2026;49(Suppl 1):S216-S245.)。脳卒中では体の片側の麻痺や言葉が出にくくなるといった症状、心筋梗塞では胸の強い痛みや締めつけられる感じなどが現れます。糖尿病がある方は、そうでない方に比べてこれらの病気にかかりやすいことが知られています。

強い吐き気や意識障害|急に起こる危険な症状

血糖値が極端に高くなると、糖尿病性ケトアシドーシス(インスリンが足りず、体がエネルギーを作れずに血液が酸性に傾いた状態)や高浸透圧高血糖状態(こうしんとうあつこうけっとうじょうたい/血液中の糖が非常に濃くなり、体から水分が大量に失われた状態)といった、急に進む合併症が起こることがあります。
これらでは激しい吐き気や腹痛、強い脱水に加え、意識障害(昏睡)に至ることもあります(糖尿病情報センター)。
糖尿病の合併症は、早い段階で発見するほど進行を抑えられる可能性があります。気になる症状がある場合は、早めに医療機関への受診をご検討ください。

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(参考文献)

糖尿病診療ガイドライン2024(第7版). 日本糖尿病学会編. 南江堂, 2024.
American Diabetes Association Professional Practice Committee. 10. Cardiovascular Disease and Risk Management: Standards of Care in Diabetes-2026. Diabetes Care. 2026;49(Suppl 1):S216-S245. doi:10.2337/dc26-S010
国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター『糖尿病とは』https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/010/010/01.html.(参照 2026-09-16).
国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター『糖尿病の急性合併症』https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/060/010/01.html.(参照 2026-09-16).

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はまさき医院 糖尿病・内分泌科

濵﨑 秀崇 監修

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