術後感染症
術後感染症とは、手術部位に細菌が侵入・増殖し感染を起こす病気です。傷の赤みや腫れ、膿、発熱などの症状がみられます。術後に痛みや熱が再発した場合や、膿が出るなどの異常があれば、早急に手術を受けた診療科を受診しましょう
山田記念病院 整形外科 整形外科部長
濱畑 智弘 監修
病気について
手術した部位に細菌が入り感染を起こし、膿がたまったり、発熱したりする病気です。
通常は手術後30日以内ですが、インプラントを用いた手術では術後3ヶ月~1年まで注意が必要です。
術後感染症が重症化した場合、敗血症やその他の合併症により死亡に至るリスクがあります。
術後合併症は手術後に起こる好ましくない事象全般を指し、術後感染症はその合併症の一種です。
術後感染の生じた部位の深さにより、表層、深部、臓器/体腔SSIの3種類に分けられます。
手術により体に免疫反応が起こります。この反応で細菌を制御しきれなくなると術後感染症が発生します。
感染症が悪化して傷が開いてしまうことや、感染症が全身に広がり重篤化してしまい、命に関わることもあります。
はい。糖尿病は術後感染症の発生率が高くなる、重要なリスク因子です。
予防のためには、手術前から禁煙や禁酒、厳重な血糖管理などが重要です。
大腸を開放する手術や人工物を埋め込む手術、土などでの汚染が強い状況での手術で感染が起こりやすいです。
皮膚や空気中の細菌が、傷に入り込むことで発生します。体の状態や手術の種類によって生じやすさが異なります。
症状について
手術した部位近くの痛みや熱感、腫れ、赤みなどがあり、膿が出てくるとともに傷が開くこともあります。
傷の痛みや赤み、腫れ、熱感といった局所の炎症が初期症状としてみられることがあります。
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
手術後の発熱が落ち着いてこない場合や、手術後1ヶ月以内に再度発熱する場合などがあります。
膿の排出は、術後感染症の主な症状のひとつです。すぐに手術を受けた病院に連絡し、指示に従ってください。
受診について
治療について
多くの手術の場合で、当初想定されていたよりも入院期間は長くなることが多いです。
はい、日本国内にも専門学会が作成した、予防・治療に関するガイドラインがあります。
抗菌薬の投与に加えて、傷を開き膿を出して洗浄を行う処置が必要となる場合があります。
深部での細菌感染やインプラント(人工物)がある場合、再手術が必要になる場合があります。
医師の指示に従い、安静を守りながら治療を続けましょう。治療は長期間におよぶ場合もあります。
薬について
(参考文献)
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