術後感染症の原因は何がありますか?
皮膚や空気中の細菌が、傷に入り込むことで発生します。体の状態や手術の種類によって生じやすさが異なります。
術後感染症の主な原因は、手術を行った部位に細菌が入って増殖することです。これらの細菌は、主に次のような場所に由来します。
- 患者さん自身の皮膚の常在菌:常在菌は皮膚の皮脂腺や汗腺などに、もともといる細菌です。この菌には、有害な細菌が体内に入り込むのを防ぐ役割があり、通常は体にとって有用なものです。しかし、手術により体内の奥深くへ入り込んでしまうと、有害な感染症を生じる場合があります。
- 空気中の粒子:手術室の空気中に浮かんでいる細菌も原因となります。一般的に手術室では、空気中の細菌を減らすことができるように空気の状況がコントロールされています。
特に人工関節のような大きな人工物(インプラント)を体内に入れる手術では、わずかな細菌でも細菌感染症が生じやすく、その場合に治りにくいことがわかっています。また、インプラントを使用する手術の場合は、手術中に細菌が侵入するだけでなく、手術後に別の場所(皮膚の感染症、肺炎、尿路感染症、歯科処置など)から、血の流れに乗って細菌が運ばれて、感染を引き起こすこともあります。
細菌感染症の起こしやすさは、手術の種類だけではなく、患者さんの体の状況にも左右されます。細菌への抵抗力の下がる原因として代表的なものには、高齢や悪性腫瘍、糖尿病、腎臓病、肝臓病、皮膚疾患などがあります。さまざまな要因が関係する場合があり、詳しくは手術を担当する医師に確認するようにしましょう。
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(参考文献)
日本整形外科学会診療ガイドライン委員会ほか. 骨・関節術後感染予防ガイドライン2015改訂第2版. 南江堂. 2015
日本整形外科学会.術後感染症.日本整形外科学会,https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/postoperative_infection.html(参照 2025-11-11)
術後感染予防抗菌薬適正使用に関するガイドライン作成委員会編.“術後感染予防抗菌薬適正使用のための実践ガイドライン”.日本外科感染症学会.http://www.gekakansen.jp/file/antimicrobial-guideline.pdf,(参照 2025-11-11).
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山田記念病院 整形外科 整形外科部長
濱畑 智弘 監修
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