術後感染症の場合、主にどのような治療をしますか?
抗菌薬の投与に加えて、傷を開き膿を出して洗浄を行う処置が必要となる場合があります。
術後感染症の治療は、原因となっている細菌に対して有効性のある抗菌薬の投与を行い、感染して壊死してしまった構造物を除去することが基本です。
- 薬による治療:細菌を殺すための抗菌薬(抗生物質)が投与されます。これは原因菌の種類や感染した部位に応じて選択されます。飲み薬や点滴による治療が行われます。
- 手術による治療:感染した傷を開き、中に溜まった膿を排出し、壊死した構造物を取り除く処置(デブリドマン)が必要です。この際に、十分な量の洗浄処置を行うことで、感染に関与している細菌の量を減らすことが期待できます。
特に、人工関節や脊椎手術などでインプラントを使用している場合、インプラントの周囲に細菌が張り付いてしまうと、抗菌薬が届きにくく感染が治りにくいことがあります。この場合は、インプラントを一時的、または恒久的に抜去したり、新しいインプラントに交換したりする再手術が必要になることがあります。
この場合の再手術は、初回の手術にくらべて体にかかる負担の大きなものになりやすいため、重症化を防ぐためにも早急な治療開始がとても重要な病気です。
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(参考文献)
日本整形外科学会診療ガイドライン委員会ほか. 骨・関節術後感染予防ガイドライン2015改訂第2版. 南江堂. 2015
日本整形外科学会.術後感染症.日本整形外科学会,https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/postoperative_infection.html(参照 2025-11-11)
術後感染予防抗菌薬適正使用に関するガイドライン作成委員会編.“術後感染予防抗菌薬適正使用のための実践ガイドライン”.日本外科感染症学会.http://www.gekakansen.jp/file/antimicrobial-guideline.pdf,(参照 2025-11-11).
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山田記念病院 整形外科 整形外科部長
濱畑 智弘 監修
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