術後感染症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
原因菌に効果のある抗菌薬を使用します。薬によっては、腎臓や肝臓に負担がかかることがあります。
術後感染症の治療には、原因となっている細菌に効果が期待できる抗菌薬(抗生物質)を使用することが最も重要です。
行われた手術の種類によって、術後感染症の原因となる菌の種類を想定して、まずは抗菌薬が選択されます。しかし、確実に効果のある薬による治療を行うためには、早々に膿から菌を採取して菌を調べることが重要となります。このため、体の深いところで術後感染症を生じている場合、手術によって膿から菌を採取することがあります。
この病気で一般的に用いられる抗菌薬は、以下のとおりです。
- 通常の感染症:セファゾリン(CEZ)やセフメタゾール(CMZ)などのセフェム系薬や、スルバクタム/アンピシリン(SBT/ABPC)などが用いられます。
- 耐性菌による感染症:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)など、通常の薬が効きにくい細菌による感染が疑われる場合や、特定の手術では、バンコマイシン(VCM)などのグリコペプチド系薬が使用されることがあります。
どの抗菌薬でも、副作用として腎臓や肝臓に負担がかかりやすいため、これらの臓器の機能障害がある場合に注意が必要です。
また、バンコマイシンを使用する場合、投与中に皮膚が赤くなる、かゆみが出る、血圧が下がるなどの「レッドネック症候群」という副作用を起こすことがあります。このため、この薬は投与時間をかけてゆっくりと点滴されます。
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(参考文献)
日本整形外科学会診療ガイドライン委員会ほか. 骨・関節術後感染予防ガイドライン2015改訂第2版. 南江堂. 2015
日本整形外科学会.術後感染症.日本整形外科学会,https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/postoperative_infection.html(参照 2025-11-11)
術後感染予防抗菌薬適正使用に関するガイドライン作成委員会編.“術後感染予防抗菌薬適正使用のための実践ガイドライン”.日本外科感染症学会.http://www.gekakansen.jp/file/antimicrobial-guideline.pdf,(参照 2025-11-11).
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山田記念病院 整形外科 整形外科部長
濱畑 智弘 監修
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