お腹に水がたまっているのはなぜ?お腹に水がたまっている

監修医師吉岡 藍子消化器内科

更新日
2026/10/27
公開日
2022/04/15

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概要

お腹の中に液体が異常にたまる「腹水」の状態です。肝硬変・がん・心不全などが主な原因です。お腹が急に膨らんだり息苦しさを感じる場合は、肝臓や消化器の病気が疑われるため、早めに消化器内科を受診してください。

腹水とは

「腹水」とはどのような状態(病態)ですか?

お腹の中の腹腔という部分に水が溜まった状態です。

お腹の中の腹腔という部分に水が溜まった状態を「腹水が溜まっている」と表現します。腹腔内には、通常ほとんど液体はありませんが、肝硬変、がん性腹膜炎などの病気では水が溜まることがあります。少量であれば症状はあまり出ませんが、量が増えるとお腹の張り、体重の増加、息苦しさなどの症状が出現します。

程度の重い場合には、何リットルも腹腔内に腹水が溜まることがあります。腹水に対しては原因に応じて利尿薬などで治療を行いますが、肝硬変やがんのような、治癒の難しい病気によるものの場合には、徐々に悪化していく場合が多いです。症状が強い場合には、お腹から針を刺して水を抜く穿刺の処置を行う場合もあります。

さらに詳しく: 「腹水」とはどのような状態(病態)ですか?監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科
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腹水の原因

腹水の原因や考えられる病気には何がありますか?

肝硬変、がん性腹膜炎、心不全などがあります。

腹水の原因としては、肝硬変、がん性腹膜炎、心不全などさまざまです。肝硬変とは、ウイルス肝炎、アルコール性肝障害、脂肪肝炎などの肝疾患によって肝臓の障害が進み、肝臓が固くなった状態です。肝硬変では、血液中のアルブミンが低下し、門脈という血管の圧が上昇することで腹水が起こります。

がんで腹膜に転移がある場合にも、しばしば腹水が出現します。それ以外に、心不全、腎不全、ネフローゼ症候群などさまざまな原因があります。治療には原因となっている病気の治療が重要ですが、肝硬変やがん性腹膜炎の場合、元の病気の改善は難しいことがあります。そのような時には、利尿剤や腹水穿刺という処置によって症状の改善を図ります。

さらに詳しく:腹水の原因や考えられる病気には何がありますか?監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科
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受診の目安・何科を受診するべきか

腹水の場合、何科を受診したらよいですか?また、病院を受診する目安はありますか?

ずは消化器内科への受診をおすすめします。

腹水の場合、まずは消化器内科への受診をおすすめします。腹水の原因としては、肝硬変、がん、心不全、腎不全などさまざまなものがあります。その中でも肝硬変の頻度が高く、消化器系のがんの可能性もあることから、まずは消化器内科への受診をおすすめします。

採血のほか、エコー、CT等の画像検査で原因を評価する必要があります。なかでもがんの場合には、消化器系以外の場所からきていることもあり、これらの検査を行ったあとに、適切な診療科に紹介となる場合もあります。特に、急に張りが強くなった、体重が急に増えた、発熱、腹痛がある、といった場合には早期に受診することをおすすめします。

さらに詳しく:腹水の場合、何科を受診したらよいですか?また、病院を受診する目安はありますか?監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科
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対処法・セルフケア

緩和ケアで腹水のしんどさを和らげられますか?

しんどさを和らげることができます。

腹水を減らすことで症状を和らげることができます。例えば、体の中の余分な水分を出すお薬の使用で、多くの人でつらさが和らいだといった報告や、5段階のつらさの評価で薬を飲む前と比較して、飲む前の平均3.8から飲んだあとの平均2.0と、明らかにつらさが和らいだという報告があります。

また、お腹の水を針を刺して抜く処置を行うと、平均5.3Lの腹水を抜いて、痛みが改善した報告や、お腹に管を留置して連続してお腹の水を抜くことで、半数以上の人で症状が和らいだという報告などがあります。

さらに詳しく:緩和ケアで腹水のしんどさを和らげられますか?監修医師田中 幸介京都大学大学院医学研究科 総合内科
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検査・診断

腹水のセルフチェックはできますか?

解説欄をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。

体重や腹囲の変化で、ある程度腹水のセルフチェックはできますが、確定診断はできません。基礎疾患に肝硬変やがんがある場合には、体重や腹囲が短期間に増えたとき、腹水の貯留によるものである可能性があります。診断にはエコーやCTといった画像検査が必要です。

ただし、体重、腹囲の増加といった症状は腹水に限らず、肥満、妊娠、卵巣疾患など、そのほかの原因もあり得ます。そのため、安易な自己診断は禁物です。急な体重増加、腹囲の増加がある場合には、内科や消化器内科を受診し、原因について精査することをおすすめします。

また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、腹水かどうかを疑うためのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。

さらに詳しく:腹水のセルフチェックはできますか?監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科
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腹水の治療

腹水の治療や予防方法には何がありますか?

治療は原因に応じて行い、塩分制限、利尿薬、穿刺の処置などがあります。

腹水の治療は原因に応じて行い、塩分制限、利尿薬、穿刺の処置などがあります。腹水の原因として多い肝硬変の場合、まずは塩分の調整が重要です。塩分量が多いとその分腹水が増えてしまうため、塩分の取りすぎに気をつけます。

それでも改善がない場合には、利尿薬の飲み薬で治療を行います。具体的には、スピロノラクトン、フロセミド、トルバプタンといった内服薬が使われることが多いです。

そういった内科的治療でも効果がなく、症状がつらいような重症の肝硬変では、症状を楽にする目的で穿刺の処置を行う場合があります。

さらに詳しく:腹水の治療や予防方法には何がありますか?監修医師石川 翔理医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科
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腹水に関連するその他の質問

腹水でお腹が張る時の安楽な姿勢を教えてください。

頭を上げたり、横になったりすることをおすすめします。

腹水でお腹が張る時は、頭を高くする姿勢やクッションで体を支え、呼吸が楽になる姿勢を目指します。

▲セミファーラー位

腹水でお腹が張っている時は、お腹が押されていると同時に横隔膜も押されています。つまりは肺も押されていて、息がしづらい、呼吸が苦しい状態となっています。その際には頭を高くする姿勢やクッションの利用により楽な姿勢となるようを工夫します。

また、お腹を温める方法で、お腹の筋肉の強張りを和らげます。医療用ホットパックは重みが苦痛になることがあるため、適度に広げた温タオルをビニールで覆ったもので代用します。

さらに詳しく:腹水でお腹が張る時の安楽な姿勢を教えてください。監修医師田中 幸介京都大学大学院医学研究科 総合内科

腹水がある時、仰向けで寝ても大丈夫ですか?

大丈夫ですが、息が苦しくなる可能性があります。

少量の腹水であれば影響は少ないと考えられますが、大量の腹水の場合には注意が必要です。

横隔膜が押し上げられることによって、呼吸が苦しくなる場合があります。その場合には頭を高くすることや、クッションの利用により楽な姿勢を工夫します。

頭を高くする時は、両上肢をクッションなどで支えると、横隔膜周囲の筋肉のこわばりも緩み、姿勢が安定します。

さらに詳しく:腹水がある時、仰向けで寝ても大丈夫ですか?監修医師田中 幸介京都大学大学院医学研究科 総合内科

腹水が溜まった場合、緩和ケアを受けられますか?

もちろん受けられます。

はい、腹水が溜まった場合も緩和ケアを受けられます。腹水は肝不全やがんによって溜まることがあります。これにより、お腹がパンパンに張る、腹痛、体重増加、下肢のむくみなどの症状が見られるようになります。

これらの症状を緩和するために、体の中の余分な水分を出すお薬の内服や腹腔穿刺ドレナージ(腹水を抜く処置)などを行うことを検討します。このような症状が長く続いている場合には、症状がより悪化する前に、早めに医療機関にご相談ください。

さらに詳しく:腹水が溜まった場合、緩和ケアを受けられますか?監修医師田中 幸介京都大学大学院医学研究科 総合内科

お腹の腹水を減らすマッサージはありますか?

腹水を減らすことはありませんが、症状が改善する可能性はあります。

腹部のマッサージだけでは、腹水を減らす報告は今のところありません。しかしながら、腹水がある方を対象に腹部マッサージの効果を検証した研究では、お腹の張り、不安、抑うつの改善がはっきりと改善したという報告もあります。

腹部マッサージはつらさを和らげる効果が期待できるケアと考えられます。

さらに詳しく:お腹の腹水を減らすマッサージはありますか?監修医師田中 幸介京都大学大学院医学研究科 総合内科
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腹水に関連する病気としては次のような病気があります

中でも次の病気はすぐに受診が必要です。

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この記事の監修医師

監修医師 吉岡 藍子

吉岡 藍子

消化器内科・内科

消化器内科医の吉岡藍子と申します。 これまで大学病院や市中病院、健診センターでの内視鏡業務などを通して、消化器領域を幅広く経験してまいりました。 診療の現場では、専門的な用語や複雑な病状の説明に、患者様が戸惑いや不安を感じる場面に何度も出会いました。医療機関で提供される膨大な情報を前に、混乱されてしまう方も少なくありません。そこで、ご自身の病気や体、そして健康について、一人でも多くの方が正しく理解できる環境を作りたいという想いから、ユビーの活動に参加させていただいております。皆様が正しい医学知識に普段から触れ、安心してご自身の健康と向き合えるよう、分かりやすい情報提供に努めてまいります。 【経歴】 新潟大学医学部卒。 新潟県内外の市中病院、大学病院で勤務。 新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野にて博士取得。 2022年からユビーに入社し、横浜市で健診内視鏡診療を兼務。

更新日
2026/10/27
公開日
2022/04/15