気管軟化症の治療では気管切開が必要になりますか?
重症例で呼吸が著しく困難な場合に限り、気管切開が検討されます。
気管軟化症の治療に、気管切開は通常必要ありません。気管軟化症の治療は基本的に経過観察や補助的な薬物療法、呼吸補助療法が中心です。特に、小児の多くの軽症例や中等症例では、成長とともに気管の内径が拡大し、気管軟骨が発達することにより、症状が改善します。気管軟化症の治療において、気管切開は原則的に最終手段であり、通常は、保存的治療や外科的介入が奏効しない重症例、特に自然呼吸が困難で生命に危険が及ぶほどの重症例に限り行われます。
気管切開が必要になるのは、具体的に以下のような場合です。
- 重度の気道閉塞により、他の治療法では対処できない重大な呼吸困難が起こっている場合
- 加湿、薬物療法、肺理学療法、CPAPやBiPAPなどの非侵襲的陽圧換気による保存的管理で症状がコントロールできない場合
- 気管を安定させる、あるいは再建する手術が、すぐに実行できない複雑な病状にある場合
- あるいは、気道の成熟やさらなる治療を待つ間の一時的な措置として気管切開を行う場合
特に乳児や小児では、重度の気道狭窄や呼吸困難が持続する場合、持続的呼吸補助が必要なときや気管ステントなどの外科的治療が不可能な場合に検討されます。気管切開は呼吸の安定には有効ですが、感染や声の出しづらさなどの合併症のリスクもあるため、専門医の慎重な判断が必要です。


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(参考文献)
Ali Kamran et al.“Tracheomalacia and Tracheobronchomalacia in Pediatrics: An Overview of Evaluation, Medical Management, and Surgical Treatment”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31921725/,(参照 2025-10-10).
Septimiu D Murgu et al.“Tracheobronchomalacia and excessive dynamic airway collapse”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16771908/,(参照 2025-10-10).
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最終更新日:
宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
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