気管軟化症の場合、主にどのような治療をしますか？

気管軟化症の治療は、軽症なら経過観察、重症なら呼吸補助や手術が行われます。気管軟化症は気管が柔らかくつぶれやすい病気で、主な治療法は症状の重症度と根本原因によって異なります。軽症例では、成長とともに気道の内径が拡大し気管軟骨が発達するにつれて症状が改善するため、基本的には経過観察が中心となります。特に乳幼児では年齢が上がるにつれて自然に改善することが多いです。

治療としては、まず生活上の工夫が大切です。痰がたまりやすいため加湿や体位排痰を心がけ、感染予防も重要です。効果は限定的ですが、気管支拡張薬や去痰薬が補助的に用いられることがあります。また、睡眠時の体位（うつ伏せや横向き）を工夫すると呼吸が楽になることもあります。適切な薬物療法による胃食道逆流症（GERD）などの関連症状の管理も大切です。

一方で、中等度以上の症状がある小児や、感染症などによる急性増悪期には、非侵襲的陽圧呼吸療法（CPAP/BiPAP）による呼吸補助が行われる場合があります。また、重症例や自然改善が期待できない後天性の例では、気管内ステントの留置、外科的に気管を支える手術（大動脈を前方に固定する「大動脈前方固定術」や気管の外側を縫合して補強する方法）、気管切開などが検討されます。

軽度から中等度の気管軟化症の乳児のほとんどは成長とともに改善し、手術は必要ありません。手術は、薬物治療に反応せず、持続的、または生命を脅かす症状がある場合にのみ行われます。