X連鎖無ガンマグロブリン血症とはなんですか?
遺伝子異常により生まれつき抗体を作る能力がほとんどない免疫不全症で、男子に多くみられます。
X連鎖無ガンマグロブリン血症(X-linked agammaglobulinemia, XLA)は、体を病原体から守る抗体がほとんど作られない、先天性の免疫不全症です。
無ガンマグロブリン血症の中でも代表的な型であり、主に男児に発症します。
XLAの原因は、BTK遺伝子(ブルトン型チロシンキナーゼ遺伝子)の異常です。
BTK遺伝子は抗体を作るB細胞の成長に重要な役割を担っており、異常があるとB細胞が正常に成長できずに抗体が作られなくなります。
人の性染色体は女性がXX、男性がXYです。XLAはX染色体上のBTK遺伝子の異常で起こるため、「X連鎖」と呼ばれます。X染色体を1本しか持たない男性はBTK遺伝子に異常があると病気を発症します。
一方、女性は片方のX染色体に異常があっても、もう片方が機能を補いほとんどの場合発症しませんが、保因者になる可能性があります。
赤ちゃんは出生直後、母親からもらった「移行抗体」によって感染から守られますが、これは生後6か月頃から減少します。
XLAはこの時期以降に中耳炎、肺炎、副鼻腔炎などの細菌感染を繰り返し、初めて異常に気づかれることが多いです。まれに髄膜炎や敗血症などの重い感染症になることもあります。
免疫グロブリン補充療法を定期的に行うことで、感染の頻度や重症度が軽減され、比較的健康に日常生活を送ることが可能になるため、早期発見と継続的な治療が重要です。
宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
(参考文献)
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