無ガンマグロブリン血症と続発性免疫不全症候群の関係性を教えてください。

無ガンマグロブリン血症は先天性の免疫不全症であり、続発性免疫不全症は後天的な原因によります。

免疫不全症とは、体の防御力である免疫機能が正常に働かず、細菌やウイルスなどの感染症にかかりやすくなる病気です。

原因が先天的な（生まれつきの）ものと、後天的な（病気や治療の影響による）ものの2つに大別されます。

先天的なものを原発性免疫不全症、後天的なものを続発性免疫不全症と呼び、無ガンマグロブリン血症は原発性免疫不全症に含まれます。

無ガンマグロブリン血症は、体が細菌やウイルスと戦うために必要な「免疫グロブリン（抗体）」が生まれつきほとんど作られない、原発性免疫不全症のひとつです。

主に遺伝的な原因で起こり、多くは小児期に見つかります。免疫グロブリン製剤の定期的な補充が主な治療です。

一方で、もともと正常な免疫力が、なんらかの病気や治療の影響で低下した状態は、続発性免疫不全症と呼ばれます。

代表的には、感染症や膠原病、悪性疾患などに伴うもの、悪性腫瘍の化学療法や免疫抑制剤、ステロイドの投与などに伴うものがあります。

名称がよく似ており混同しやすいものに、「後天性免疫不全症候群（AIDS）」があります。

HIV（ヒト免疫不全ウイルス）に長期的に感染したことによって免疫力が低下し、免疫が弱っている人にしか起こらない日和見感染症や腫瘍などが発症した状態を言います。