糖尿病腎症のステージ(病期)ごとの状態や治療法を教えてください。
適正体重を維持し、タバコをやめ、お酒を飲み過ぎないようにしましょう。血糖コントロールを良くし、血圧やコレステロールの値にも気を付けましょう。
ステージ分類
糖尿病腎症の病期分類は、アルブミン尿(蛋白尿)の量と腎機能(eGFR)を用いて次のように行います。
正常アルブミン尿期(第1期)
尿中アルブミン・クレアチニン比<30mg/gCr、eGFR≧30 mL/分/1.73m2
微量アルブミン尿期(第2期)
尿中アルブミン・クレアチニン比 30~299mg/gCr、eGFR≧30 mL/分/1.73m2
顕性アルブミン尿期(第3期)
尿中アルブミン・クレアチニン比≧300mg/gCrあるいは尿中蛋白・クレアチニン比≧0.5g/gCr、eGFR≧30mL/分/1.73m2
GFR高度低下/末期腎不全期(第4期)
アルブミン尿(蛋白尿)の量は問わない、eGFR<30mL/分/1.73m2
腎代替療法期(第5期)
透析療法中あるいは腎移植後
治療法
糖尿病腎症の治療法は以下の通りです。
正常アルブミン尿期(第1期)
適正体重の維持(BMI<25kg/m2)、禁煙、過剰なアルコール摂取を避けること、糖尿病の食事療法・運動療法、血糖コントロールを良くする
微量アルブミン尿期(第2期)
適正体重の維持(BMI<25kg/m2)、禁煙、過剰なアルコール摂取を避けること、糖尿病の食事療法・運動療法、血糖コントロールを良くする
顕性アルブミン尿期(第3期)
適正体重の維持(BMI<25kg/m2)、禁煙、過剰なアルコール摂取を避けること、蛋白制限食は栄養障害を起こさないように注意する、運動療法、血糖コントロールを良くする
GFR高度低下/末期腎不全期(第4期)
適正体重の維持(BMI<25kg/m2)、禁煙、過剰なアルコール摂取を避けること、蛋白制限食は栄養障害を起こさないように注意する、運動療法、血糖コントロールを良くする
腎代替療法期(第5期)
適正体重の維持(BMI<25kg/m2)、禁煙、過剰なアルコール摂取を避けること、蛋白制限食は栄養障害を起こさないように注意する、運動療法、血糖コントロールを良くする
高血圧症や脂質異常症がある場合、その治療も適切に行います。
高血圧症を合併した第1,2期および第3期以降の糖尿病腎症では、食塩摂取量は5g/日未満に制限します。
高カリウム血症が見られた場合、カリウム摂取量は2g/日未満に制限します。
進行した網膜症や心臓病などがある場合、激しい運動は行いません。
公開日:
最終更新日:
医療法人社団メレガリ うるうクリニック関内馬車道 糖尿病・内分泌科
濵﨑 秀崇 監修
(参考文献)
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