ポルフィリン症の診断基準を教えてください。
ポルフィリン症は症状、血液・尿検査、遺伝子検査などから診断します。ポルフィリン症以外を除外することが重要です。
ポルフィリン症は主に急性型と皮膚型に分類されます。それぞれの診断基準は次の通りです。
1. 急性型(急性間欠性ポルフィリン症など)
【臨床所見】
- 思春期以降に発症する。発症は急性のことが多い。
- 種々の程度の腹痛、嘔吐、便秘(消化器症状)
- 手足の脱力、けいれん、精神異常(精神神経症状)
- 高血圧、頻脈、発熱など(自律神経症状)
- 他のポルフィリン症とは異なり皮膚症状(光線過敏症)はみられない。
【検査所見】
発作時に尿中ALA(アミノレブリン酸)・PBG(ポルフォビリノーゲン)の増加(ALAは正常平均値の3倍以上、PBGは正常平均値の10倍以上)
【遺伝子検査】
ポルフォビリノーゲン脱アミノ化酵素遺伝子変異
【除外診断】
急性腹症(腸閉塞や虫垂炎など)、鉛中毒、ヒステリー、他のポルフィリン症など
2. 皮膚型(晩発性皮膚ポルフィリン症など)
【臨床所見】
日光曝露による水ぶくれ、発赤、皮膚のびらん(ただれ)、瘢痕など
【検査所見】
- 赤血球中プロトポルフィリンの著明な増加:正常平均値の15倍以上
- 尿中ポルフィリン前駆体及びポルフィリン体は正常範囲
- 赤血球蛍光(特殊な光で調べると赤血球が蛍光を発する)が陽性
- 光溶血現象(強い光に当たると赤血球が壊れやすくなる)が陽性
- 日光が当たる皮膚の血管周囲に、PAS染色で検出される物質が沈着
【遺伝子検査】
フェロケラターゼ(ferrochelatase)遺伝子変異
【除外診断】
- 鉄芽球性貧血症
- 鉄欠乏性貧血
- 溶血性貧血
- 他のポルフィリン症
- 他の光線過敏症
医療法人社団メレガリ うるうクリニック関内馬車道 糖尿病・内分泌科
濵﨑 秀崇 監修
(参考文献)
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