悪性中皮腫とはどのような病気ですか?
内臓を包む膜に存在する中皮細胞ががん化することで発症する病気です。
悪性中皮腫は、内臓を包む膜に存在する中皮細胞ががん化することで発症する悪性腫瘍です。
主に肺を包む膜(胸膜)に発生するケースが多く、約80~85%を占めます。次に多いのが腹部臓器を包む膜(腹膜)で、10~15%の割合で発生します。
まれではありますが、心臓を包む膜(心膜)や精巣を包む膜(精巣鞘膜)に発生することもあり、その頻度は1%未満とされています。
この病気の主な原因はアスベスト(石綿)への曝露であり、特に建築業や造船業など、アスベスト使用が多い職業に従事していた方にリスクが高いとされています。
欧米の研究によれば、男性患者さんの78~88%、女性患者さんの23~65%にアスベスト曝露歴が認められています。
アスベスト曝露から発症までには通常25~50年という長い潜伏期間があるため、曝露歴のある方は定期的な健康診断が重要です。
治療法としては、抗がん剤や分子標的薬を用いた薬物治療が中心となりますが、患者さんに応じて手術や放射線治療が選択されることもあります。
悪性中皮腫は初期段階で自覚症状がないことも多いため、早期発見・治療が病状の進行を抑える鍵となります。
京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
(参考文献)
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