食事療法で使う「フォーミュラ食」とはどのようなものですか？

食事療法で使う「フォーミュラ食」とは、1食分に必要なビタミン、ミネラル、たんぱく質などの栄養素をバランス良く含み、かつエネルギー量（カロリー）が低く正確に調整されている、粉末や液体状の食品のことです。

肥満症の治療では、特に　超低エネルギー食療法（VLCD）という専門的な食事療法で用いられます。これは、医師の厳格な管理のもとで、1日の摂取エネルギーを600kcal以下に制限する短期集中の減量法です。

通常の食事でこれほど極端なカロリー制限を行うと、体に必要なビタミンやミネラル、たんぱく質が不足し、健康を害してしまいます。そこで、フォーミュラ食が活用されます。

フォーミュラ食は、1食あたりのカロリーは非常に低い（例：200kcal程度）にもかかわらず、体に必要な栄養素はしっかりと補給できるように設計されています。これを1日の食事の1〜3食と置き換えることで、安全かつ確実に摂取カロリーを大幅に減らすことができます。

フォーミュラ食を用いた治療は、

• 高度な肥満症で、合併症のリスクが高く、迅速な減量が必要な場合
• 減量手術の前に、安全に手術を行うために体重を減らす必要がある場合

などに、専門の医療機関で入院管理のもと行われるのが一般的です。

市販されているダイエット用の置き換え食品とは異なり、医療用に開発されたものであり、必ず医師や管理栄養士の指導のもとで使用する必要があります。