「肥満症」の人は、エコノミークラス症候群(血栓症)になりやすいのですか?
はい、なりやすいです。肥満症は血液の流れを悪くし、血液が固まりやすい状態を作るため、血栓症のリスクを数倍に高めます。
はい、「肥満症」の人は、そうでない人と比較してエコノミークラス症候群(正式には静脈血栓塞栓症)になりやすいことが、医学的に明確に示されています。肥満は、この危険な病気の独立したリスク因子のひとつです。
エコノミークラス症候群は、長時間足を動かさないことで足の静脈に血の塊(血栓)ができ、その血栓が血流に乗って肺の血管に詰まってしまう(肺塞栓症)病気です。
肥満症の人がこの病気になりやすい理由は、血栓ができるための3大要因(ウィルヒョウの三徴)を悪化させてしまうからです。
血液の流れの滞り(うっ滞)
腹部や下半身の過剰な脂肪が足の静脈を物理的に圧迫し、心臓への血流を悪くします。これにより、血液が足に滞りやすくなります。
血液が固まりやすい状態(過凝固)
肥満によって増えた脂肪細胞は、体内で慢性的な炎症を引き起こしたり、血液を固まりやすくする物質を分泌したりします。これにより、血液が「ドロドロ」になり、固まりやすい状態になります。
血管の壁の障害
肥満に伴う高血圧や高血糖は、血管の内側の壁を傷つけます。傷ついた血管の壁には血栓が付着しやすくなります。
このように、肥満症の人の体は、もともと「血栓ができやすい土壌」になっています。その状態で、飛行機や車などで長時間足を動かさない状況が加わると、血栓ができるリスクが健常な人よりも飛躍的に高まってしまうのです。そのため、肥満症の方は長時間の移動の際には、意識的に足を動かしたり、水分をこまめに摂ったりするなどの予防策を、より一層心がける必要があります。
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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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