薬物療法(GLP-1受容体作動薬)を中止すると、体重は戻ってしまいますか?

はい、戻ってしまう可能性が高いです。薬で抑えられていた食欲がもとに戻るため、中止後の生活習慣の維持が非常に重要になります。

はい、GLP-1受容体作動薬による治療を中止すると、減量した体重の多くがもとに戻ってしまう(リバウンドする)可能性が高いことが、複数の信頼できる臨床研究によって示されています。

GLP-1受容体作動薬は、脳に働きかけて食欲を抑制したり、胃の動きを緩やかにして満腹感を持続させたりすることで、食事量を自然に減らし、体重減少を促します。つまり、薬の効果によって「痩せやすい状態」が作られているわけです。

しかし、この薬は肥満症という慢性疾患を「完治」させるものではなく、あくまで症状を「コントロール」するためのものです。薬の服用を中止すると、脳や消化管への作用がなくなり、抑えられていた食欲がもとに戻ってしまいます。その結果、食事量が増え、体重も再び増加していく傾向にあります。

実際に、セマグルチドという薬の大規模な臨床試験(STEP 1試験)では、薬を中止したあとの1年間で、減量した体重の約3分の2がもとに戻ってしまったという結果が報告されています。

したがって、GLP-1受容体作動薬は、高血圧糖尿病の薬と同様に、効果を維持するためには継続的な使用が必要な治療と考えるのが基本です。もしなんらかの理由で薬を中止する場合には、リバウンドを防ぐために、食事療法や運動療法といった生活習慣の改善を、これまで以上に徹底して継続していくことが不可欠となります。薬を中止する際は、必ず主治医と今後の対策について十分に相談してください。

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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長

井林 雄太 監修

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