腎臓が悪くなるのも「肥満症」の影響がありますか?
はい、深く関係します。肥満症は腎臓に過剰な負担をかけ、糖尿病や高血圧を介して、また直接的に腎臓の機能を悪化させる原因となります。
はい、「肥満症」は腎臓が悪くなる(慢性腎臓病:CKD)非常に大きなリスク因子であり、その影響は多岐にわたります。肥満症は、間接的にも直接的にも腎臓にダメージを与えます。
【間接的な影響】
肥満症は、腎臓病の二大原因である 「糖尿病」と「高血圧」を強力に引き起こします。
- 糖尿病:肥満によって引き起こされた高血糖状態が続くと、腎臓のフィルター役割を担う非常に細い血管(糸球体)が傷つき、機能が低下します(糖尿病性腎臓病)。
- 高血圧:肥満によって上昇した血圧が、腎臓の血管に常に高い圧力をかけ続けることで、血管が硬くなる「腎硬化症」を引き起こし、腎機能を悪化させます。
【直接的な影響】
肥満症は、糖尿病や高血圧がなくても、それ自体が直接腎臓に負担をかけます。
- 腎臓への過剰な負担:体重が増えると、体内の血液量が増加し、老廃物の量も増えます。これらを処理するために腎臓は通常より激しく働かなければならず、過労状態になります(糸球体過濾過)。この過労状態が長く続くと、腎臓は疲弊して機能が低下していきます。
- 脂肪細胞からの悪玉物質:肥満によって増えた脂肪細胞、特に内臓脂肪は、炎症を引き起こす物質を分泌します。この慢性的な炎症が、腎臓の組織にもダメージを与えます。
このように、肥満症はさまざまな経路を通じて腎臓の機能を悪化させるため、腎臓を守るためにも、体重を適正に管理することが非常に重要です。
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最終更新日:
福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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