非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)の原因は何がありますか?
遺伝子異常等により補体という蛋白質がうまくコントロールされず、過剰に活性化するためとされています。
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)は、体の免疫システムで重要な役割をもつ補体というたんぱく質が異常に活性化することが原因と考えられています。
患者さんの約6割の方に、補体や補体をコントロールする因子の遺伝子異常があるとされています。一方で、遺伝子の異常が確認できないなど、発症の原因がわからないケースもあります。
補体が過剰に活性化されると、自分の体の組織を攻撃しはじめます。血管内皮細胞(血管の内腔を形成する細胞)が障害されると、同所に血小板が凝集して血栓を形成し、それに続いて血流障害が起こりaHUSを発症します。
血小板が消耗されて血小板減少が起こり、血小板の凝集塊に赤血球が衝突して壊れ、溶血性貧血が起こります。また、細い血管が集中している腎臓は障害を受けやすく、急性腎不全は必ず発症します。その他、さまざまな臓器にも傷害が現れてきます。
このようにしてaHUSが発症すると考えられていますが、不明な点もまだ多く、原因は完全にはわかっていません。
公開日:
最終更新日:
東日本橋内科クリニック 循環器内科 院長
白石 達也 監修
(参考文献)
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非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)
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「非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)」とはどのような病気ですか?
補体という免疫に関連するタンパク質の異常な活性化によって発症する病気です。
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)ではどのような症状がありますか?
典型的な症状は、出血症状(青あざなど)、貧血症状(倦怠感など)、腎障害による症状です。
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)には初期症状はありますか?
青あざや、倦怠感、息切れ、むくみ、尿量の減少などがおこります。また、健診では血小板減少が現れます
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)の場合、主にどのような治療をしますか?
健康な人の血漿を補充する血漿療法や、補体の過剰な活性化を阻害する薬物療法があります。
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?
血液内科、腎臓内科、総合診療科等を受診してください。
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?
ご家族にaHUSや腎不全をもつ方がおられ、風邪等の後に貧血や青あざがある場合は受診を検討してください
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
過剰に活性化している補体の成分を阻害する注射薬があり、副作用として感染症リスク増加等があります
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
お薬以外の治療法としては、健康な人の血漿を補充する血漿療法などがあります
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