「視神経炎」とはどのような病気ですか?
視神経炎とは、眼から脳へ視覚情報を伝える「視神経」に炎症が生じる病気です。
視神経炎とは、眼から脳へ視覚情報を伝える「視神経」に炎症が生じる病気です。炎症によって視力低下や視野の欠け、色覚の異常、コントラスト感度の低下などが比較的急に現れることが多いです。特に中心が見えにくくなる『中心暗点』がよく見られる症状です。また、眼を動かすと痛みを感じるケースも多く、発症して数日以内に視機能の低下が進行することがあります。
原因としては、免疫の異常によって視神経の髄鞘が障害される脱髄性疾患(多発性硬化症、視神経脊髄炎、MOG抗体関連視神経炎など)がよく知られていますが、ウイルス感染後や自己免疫疾患、薬剤性などさまざまな背景が関わることもあります。一般的には片目に起こることが多いですが、特にMOG関連では両眼に生じたり再発を繰り返したりすることがあります。
診断には問診や視力・視野検査、眼底検査に加え、MRIで視神経の腫れや炎症を確認することが一般的です。また、必要に応じて血液検査で自己抗体を調べ、病型の判別につなげます。治療はステロイドが中心で、炎症を抑えて視機能の回復を目指すためにステロイドパルス療法が用いられることがよくあります。治療によって多くの症例で改善が期待できますが、原因によっては後遺症が残ったり再発したりする場合もあります。
このように視神経炎は、視神経が炎症によって障害されることで視覚に影響が出る病気であり、早期の診断と治療が予後に大きく関わります。
視神経炎について、特に知りたいことは何ですか?
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(参考文献)
日本神経学会.“多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン”..https://www.neurology-jp.org/guidelinem/pdf/koukasyonmosd2023.pdf,(参照 2025-12-08).
.“ガイドライン・答申”..https://www.nichigan.or.jp/member/journal/guideline/detail.html?itemid=296&dispmid=909,(参照 2025-12-08).
三村 治ほか.“抗アクアポリン 4 抗体陽性視神経炎診療ガイドライン”..https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/guideline/aquaporin.pdf,(参照 2025-12-08).
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東北大学病院 眼科
山口 知暁 監修
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