ALK融合遺伝子検査の結果はどのように解釈すればよいですか?
ALK融合遺伝子が見つかれば、ALK阻害薬治療が有効な可能性が高いと判断されます。
ALK融合遺伝子検査で「陽性」と判断されると、肺がんには「ALK遺伝子の並び替えの異常」が見つかったことを意味します。ALKは、細胞の成長などに関わる「酵素」の一種で、この並び替えによって「異常な融合遺伝子」が形成されます。
このALK遺伝子の異常を持つ肺がんは、ALK阻害薬(チロシンキナーゼ阻害薬とも呼ばれます)という種類の薬が治療に「高い効果を示す」特徴があります。そのため、この検査は、患者さん一人ひとりに合った治療法を選ぶ上で非常に重要になります。
この融合遺伝子を検出する主な検査方法は以下の通りです。
次世代シークエンシング(NGS)
一度に複数の遺伝子異常をまとめて調べることができる方法です。
蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)
ALK遺伝子の並び替えを直接、顕微鏡で確認する方法です。正常な遺伝子では色が一つにまとまって見えますが、異常があると色が分かれて見えます。
免疫組織化学(IHC)
ALK融合タンパク質という異常なたんぱく質が、がん細胞の中に存在するかどうかを調べる方法です。
これらの検査でALK陽性と診断された場合、その肺がんはALK阻害薬による治療が第一選択肢として推奨されます。
一般的には、喫煙歴が少ない比較的若い患者さんの腺がんに見つかることが多いですが、喫煙歴に関わらず、進行した非小細胞肺がんの患者さんには検査が推奨されています。
京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
(参考文献)
Mathieu Chevallier et al.“Oncogenic driver mutations in non-small cell lung cancer: Past, present and future”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33959476/,(参照 2025-07-18).
Larissa A Pikor et al.“Genetic alterations defining NSCLC subtypes and their therapeutic implications”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24011633/,(参照 2025-07-18).
Alice T Shaw et al.“Targeting anaplastic lymphoma kinase in lung cancer”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21288922/,(参照 2025-07-18).
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