高プロラクチン血症で胸にどのような症状が出ますか？

高プロラクチン血症において、胸に現れる症状はプロラクチンホルモンの本来の働きと深く関係しています。プロラクチンは、主に「乳腺を発達させ、乳汁を作り、分泌を促す」という役割を持つホルモンです。そのため、血液中のプロラクチン濃度が異常に高くなると、乳腺が過剰に刺激され、以下のような症状が胸に現れることがあります。

乳汁分泌（乳漏：にゅうろう）

最も特徴的な症状です。妊娠中でも授乳中でもないのに、乳頭から母乳のような乳白色の分泌物が出ます。自然に下着にしみができることもあれば、乳頭を軽くつまんだ時にじみ出てくることもあります。量は個人差があり、男性でも起こることがあります。

乳房の張りや痛み（乳房緊満感：にゅうぼうきんまんかん）

プロラクチンの刺激によって乳腺組織が発達するため、生理前のように胸が張ったり、圧迫すると痛みを感じたり、チクチクとした違和感を覚えたりすることがあります。

女性化乳房（男性の場合）

男性で高プロラクチン血症が長期間続くと、乳腺が発達して胸が女性のようにふくらんでくることがあります。

これらの胸の症状は、月経不順や不妊、性欲の低下といった他の症状と同時に現れることが多いため、診断の重要な手がかりとなります。もし、このような症状に気づいたら、放置せずに内分泌内科や婦人科、乳腺外科などを受診してください。