高プロラクチン血症と黄体機能不全の関係性を教えてください。
高プロラクチン血症は、排卵や黄体の働きを指令する脳のホルモン分泌を抑制します。その結果、黄体の機能が低下し、不妊や流産の原因となります。
高プロラクチン血症と黄体機能不全は、女性の不妊や月経不順の原因として、密接に関係しています。結論から言うと、高プロラクチン血症は、黄体機能不全を引き起こす原因の一つとなります。
【黄体とは】
まず、黄体とは、排卵後の卵胞が変化してできる一時的な組織です。黄体からは「プロゲステロン(黄体ホルモン)」というホルモンが分泌されます。プロゲステロンは、子宮内膜を厚く、ふかふかにして、受精卵が着床しやすい状態に整える、妊娠の維持に不可欠なホルモンです。黄体機能不全とは、この黄体の働きが悪く、プロゲステロンが十分に分泌されない状態を指します。
【高プロラクチン血症の影響】
プロラクチンは、血液中の濃度が高くなりすぎると、脳の司令塔である視床下部や下垂体に作用し、正常な排卵周期をコントロールしているホルモン(GnRH、LH、FSH)の分泌を抑制してしまいます。その結果、以下のようなことが起こります。
排卵が抑制される
そもそも排卵が起こりにくくなり、黄体が形成されません。
黄体の機能が低下する
たとえ排卵が起こったとしても、黄体を維持するためのホルモン(特にLH)の刺激が不十分なため、黄体が十分に発達・機能できません。
このように、黄体の働きが悪くなることでプロゲステロンの分泌が不足し、子宮内膜が十分に成熟しないため、受精卵が着床しにくくなったり、着床しても妊娠が維持できずに早期流産の原因となったりします。したがって、不妊や月経不順で悩んでいる方で黄体機能不全が疑われる場合、その背景に高プロラクチン血症が隠れていないかを調べるために、血液検査でプロラクチン値を測定することが非常に重要です。
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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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