高リン血症

腎機能の低下が最も多い原因です。その他、食事からのリン過剰摂取、特定のホルモン異常、がん細胞などが壊れることでも起こります。

血液中のリンの濃度が異常に高くなる状態です。腎機能低下が主な原因で、骨や血管の異常、心血管疾患のリスクを高めます。

腎不全でリンが排泄できず高リン血症になった場合、透析で除去します。しかし透析だけでは不十分で、食事療法や薬物療法との併用が不可欠です。

血液中のリンが増えるとカルシウムと結合して消費され、カルシウム濃度が低下するためです。また、リンはカルシウム吸収に必要なビタミンDの働きも妨げます。

主に腎臓から尿として排出されます。そのため、腎機能が低下するとリンが体内に溜まり、高リン血症の原因となります。

血液中のリンが増えるとカルシウムと結合し、カルシウム濃度が低下します。このバランスの崩れが骨の異常や血管の石灰化を引き起こします。

初期症状はほとんどありません。多くは無症状で、血液検査で偶然発見されます。進行するとかゆみや骨の痛みなどが出ることがあります。

初期は無症状ですが、進行すると皮膚のかゆみ、骨の痛み、関節痛などが現れます。血管の石灰化による心血管疾患のリスクも高まります。

初期症状がほとんどなく、血液検査でしか診断できないため、正確なセルフチェックは困難です。リスクが高い方は定期的な検査が重要です。

健康診断でリン値の高さを指摘された時が目安です。腎臓病の方や、皮膚のかゆみ、骨の痛みなどの症状がある場合も受診をおすすめします。

腎臓内科の受診が最も推奨されます。近くにない場合は一般内科を受診し、必要に応じて専門科へ紹介してもらうのがよいでしょう。

主にリン吸着薬が使われます。カルシウム系（炭酸カルシウム等）と、非カルシウム系（セベラマー、炭酸ランタン、鉄含有薬等）があります。

食事からのリン摂取制限、腸でリンの吸収を抑える薬（リン吸着薬）の内服が基本です。腎不全が進行した場合は透析も行います。

食事からのリン摂取制限と、処方されたリン吸着薬を食事と一緒に正しく服用することが最も重要です。定期的な血液検査も欠かせません。