高リン血症におけるリンとカルシウムの関係について教えてください。
血液中のリンが増えるとカルシウムと結合し、カルシウム濃度が低下します。このバランスの崩れが骨の異常や血管の石灰化を引き起こします。
高リン血症におけるリンとカルシウムの関係は、健康を維持するうえで非常に重要です。体内のリンとカルシウムは、お互いの濃度を一定に保つシーソーのようなバランス関係にあります。
血液中のリン濃度が異常に高くなると(高リン血症)、過剰なリンは血液中のカルシウムと結合して「リン酸カルシウム」という固い結晶を作り始めます。この結果、主に2つの問題が起こります。
- 低カルシウム血症:血液中のカルシウムがリンと結合して消費されてしまうため、血中のカルシウム濃度が低下します。カルシウムは筋肉や神経の働きに不可欠なため、不足すると手足のしびれや筋肉のけいれん(テタニー)といった症状を引き起こすことがあります。
- 異所性石灰化:リン酸カルシウムの結晶は、本来あるべき骨以外の場所、例えば血管の壁、心臓の弁、肺、関節といった柔らかい組織に沈着します。特に血管に沈着すると血管の石灰化となり、動脈硬化を急速に進行させ、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気のリスクを著しく高めます。
また、体はカルシウム濃度の低下を補おうとして、骨を溶かしてカルシウムを血液中に供給するホルモン(副甲状腺ホルモン)を過剰に分泌します。これにより、骨がもろくなり、痛みや骨折のリスクが高まります。
このように、高リン血症は単にリンが多いだけでなく、カルシウムとのバランスを崩すことで、全身に深刻な影響を及ぼすのです。
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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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