高リン血症の原因は何がありますか?
腎機能の低下が最も多い原因です。その他、食事からのリン過剰摂取、特定のホルモン異常、がん細胞などが壊れることでも起こります。
高リン血症の最も一般的で重要な原因は、腎機能の低下です。腎臓は体内の余分なリンを尿として排泄する役割を担っているため、慢性腎臓病(CKD)などで腎臓の働きが悪くなると、リンが体内に蓄積し、血中濃度が上昇します。
腎機能が正常な場合でも、他の要因で高リン血症が起こることがあります。
- リンの過剰摂取:加工食品や清涼飲料水には、吸収されやすい無機リンが添加物として多く含まれており、これらを過剰に摂取すると高リン血症の原因となります。
- 細胞内からのリンの放出:がん治療などで大量のがん細胞が急に壊れたり(腫瘍崩壊症候群)、重度の筋肉損傷(横紋筋融解症)が起きたりすると、細胞内にあったリンが一気に血液中に放出され、血中濃度が急上昇します。
- ホルモンの異常:副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌が低下する病気(副甲状腺機能低下症)では、腎臓でのリンの排泄が減少し、高リン血症となります。また、ビタミンDの過剰投与も腸からのリン吸収を促進するため、原因となり得ます。
これらの原因を特定するために、血液検査だけでなく、患者さんの病歴や食事内容、服薬状況などを総合的に評価することが重要です。
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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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