高リン血症と透析の関係について教えてください。

高リン血症と透析は、末期腎不全の治療において非常に密接な関係にあります。

腎臓の主な働きのひとつは、食事から摂取した余分なリンを尿として体外に排泄することです。しかし、慢性腎臓病が進行して末期腎不全になると、腎臓はこのリンを排泄する能力をほとんど失ってしまいます。その結果、体内にリンが過剰に蓄積し、高リン血症となります。

透析は、機能しなくなった腎臓の代わりに、血液中の老廃物や余分な水分、そして過剰なリンなどを人工的に除去する治療法です。したがって、透析治療は高リン血症を改善させるための重要な手段です。

しかし、週に数回行われる透析だけで、食事から毎日摂取されるリンを完全に除去することは困難です。透析と透析の間にもリンは体内に溜まり続けてしまいます。そのため、透析を受けている患者さんであっても、高リン血症を適切に管理するためには、以下の治療を併用することが不可欠です。

• 食事療法：リンを多く含む食品の摂取を制限する。
• 薬物療法：食事中のリンの吸収を抑える「リン吸着薬」を服用する。

このように、透析は高リン血症に対する重要な治療ですが、それだけで十分なコントロールは難しく、食事療法と薬物療法を組み合わせた総合的な管理が必要となります。