皮膚エリテマトーデスは主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
皮膚エリテマトーデスは外用ステロイドが中心で、副作用として皮膚萎縮などがあります。
皮膚エリテマトーデス(CLE)の治療には、主にステロイドやタクロリムスの外用薬、効果不十分な場合はヒドロキシクロロキンの内服薬が使われます。皮膚が薄くなる、目の障害などの副作用があります。
皮膚エリテマトーデスの治療で使う外用薬
皮膚に限局した病変には、まずステロイド外用薬やタクロリムス外用薬(免疫の働きを抑える塗り薬)による治療が行われます。全身性エリテマトーデス診療ガイドライン2019の治療の基本的な流れでは、皮膚に限局する病変は外用薬(ステロイド外用・タクロリムス外用)を第一選択とし、これらで効果が不十分な場合に次の段階の治療を考慮するとされています。
皮膚エリテマトーデスに使うヒドロキシクロロキン(抗マラリア薬)
外用薬で効果が不十分な場合や外用薬の使用が適切でない場合には、抗マラリア薬であるヒドロキシクロロキン(HCQ)の内服が検討されます。日本皮膚科学会の手引きでは、HCQは理想体重(身長や体格に基づいた適切な体重)に基づき1日200〜400mgを1回で内服するとされています。理想体重あたり1日平均6.5mgを超える量を使うと、目の障害(網膜症など)のリスクが高まるとされています。
皮膚エリテマトーデスの治療薬による副作用
- 外用ステロイド: 顔などに長く使うと、皮膚が薄くなる(皮膚萎縮)、毛細血管が広がって見える(毛細血管拡張)といった副作用が起こりやすいとされています。タクロリムス外用薬やJAK阻害外用薬はこうした副作用が起こりにくいため、代替として使われることがあります。
- ヒドロキシクロロキン: 重大な副作用として、目の障害(網膜症・黄斑症)、皮膚や粘膜が広くはがれる重い皮膚障害(中毒性表皮壊死融解症・スティーブンス・ジョンソン症候群)、血液を作る働きの低下(骨髄抑制)、心臓や筋肉の異常(心筋症・ミオパチー)、低血糖(血糖値が下がりすぎる状態)が知られています。国内の臨床試験では101例中31例(30.7%)に副作用が見られ、下痢(9.9%)が最も多かったと報告されています。
皮膚エリテマトーデスの治療を続けるうえでの注意点
ヒドロキシクロロキンを開始する前には、網膜症・黄斑症など使用できない場合がないかを確認するため、眼科での検査が必須とされています。薬の種類や量は症状や体質によって異なるため、治療薬や副作用について気になる症状があるときは、医療機関への受診をご検討ください。
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(参考文献)
古川福実, 衛藤光, 谷川瑛子, 池田高治, 篠田啓, 横川直人, 山本一彦. ヒドロキシクロロキン適正使用の手引き. 日本皮膚科学会雑誌. 2015;125(11):2049-2060.
河野通仁, 渥美達也. 全身性エリテマトーデス診療ガイドライン2019(シリーズ 診療ガイドライン at a glance). 日本内科学会雑誌. 2023;112(4):674-679.
公益社団法人日本皮膚科学会. 皮膚科Q&A「顔ではステロイド外用薬の副作用が出やすいと聞きましたが、どのようにすればよいのでしょうか?」https://qa.dermatol.or.jp/qa1/q13.html,(参照 2026-08-20).
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大阪府済生会泉尾病院 皮膚科
野村 祐輝 監修
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