皮膚エリテマトーデスと全身性エリテマトーデスの違いを教えてください。
皮膚エリテマトーデス(CLE)は皮膚だけに症状が出る病気で、全身性エリテマトーデス(SLE)は皮膚に加えて複数の臓器に症状が及ぶ病気です。
皮膚エリテマトーデス(CLE)と全身性エリテマトーデス(SLE)は、どちらも自己免疫(免疫が自分の体を誤って攻撃するしくみ)が関わる病気ですが、症状の範囲や診断の考え方に違いがあります。
皮膚エリテマトーデス(CLE)とは?全身性エリテマトーデスとの違い
日本皮膚科学会は「エリテマトーデスには全身に症状が出る全身性エリテマトーデスと、皮膚だけに症状が出る皮膚エリテマトーデスがあります」としています。CLEは皮膚に限られ、SLEは皮膚以外の複数の臓器にも症状が及びます。
SLEの分類基準(1997年ACR基準・2019年EULAR/ACR基準)では皮膚症状も判定項目のひとつです。CLEと似た皮膚症状があっても、それだけではSLEと判定されず、ほかの所見と合わせて基準を満たせばSLEに分類されます。
皮膚エリテマトーデスにはどんな種類がある?
皮膚エリテマトーデスには、次の病型があります。
- 円板状ループス(DLE):顔や頭皮に赤い発疹ができるタイプ
- 亜急性皮膚ループス:体幹に発疹が広がるタイプ
- 急性皮膚ループス:頬に赤みが出るタイプ
皮膚エリテマトーデスと全身性エリテマトーデスの症状の違い
皮膚エリテマトーデスの症状は皮膚に限られますが、全身性エリテマトーデスでは皮膚以外の複数の臓器にも症状が及びます。同じような皮膚症状であっても、ほかの臓器に異常がなければCLE単独、ほかの臓器にも症状があればSLEの部分症状として現れている可能性があり、位置づけはさまざまです。
皮膚エリテマトーデスは全身性エリテマトーデスに進行することがある?
海外の研究をまとめたシステマティックレビューでは、皮膚エリテマトーデスから全身性エリテマトーデスへ進行した割合は、研究ごとに大きな差があると報告されています。抗核抗体(自分の細胞成分に対する抗体)の陽性などが進行に関わる要因とされ、一部の患者さんでは時間とともにSLEの診断基準を満たすようになることがあります。
皮膚エリテマトーデスが疑われるときの受診の目安
皮膚の発疹が長引く、範囲が広がる、発熱や関節痛など皮膚以外の症状が新たに出てきたときは、全身性エリテマトーデスへの進行も考えられます。そのような変化がみられたときは、医療機関への受診をご検討ください。
皮膚エリテマトーデスについて、特に知りたいことは何ですか?
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(参考文献)
河野通仁, 渥美達也.「全身性エリテマトーデス診療ガイドライン2019」. 日本内科学会雑誌. 2023;112(4):674-679.
公益社団法人日本皮膚科学会「皮膚科Q&A 膠原病と類縁疾患 SLE Q1」https://qa.dermatol.or.jp/qa7/index.html#02,(参照 2026-08-20).
Curtiss P, Walker AM, Chong BF. A Systematic Review of the Progression of Cutaneous Lupus to Systemic Lupus Erythematosus. Front Immunol. 2022;13:866319.
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大阪府済生会泉尾病院 皮膚科
野村 祐輝 監修
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