揺さぶられっ子症候群の場合、主にどのような治療をしますか?
治療は呼吸循環の安定化、脳圧管理、手術やリハビリです。
揺さぶられっ子症候群の治療は、生命の維持と脳への損傷を、最小限に抑えることが基本です。揺さぶられっ子症候群は、脳出血や脳の腫れ、網膜出血など重篤な障害を引き起こすため、治療は緊急対応が必要です。
まず、呼吸や循環の安定化を最優先に行います。呼吸補助が必要になることが多く、呼吸困難や意識低下がある場合は、人工呼吸器による管理や酸素投与が行われます。
次に、脳圧亢進(頭の中の圧力が上がる状態)を抑えるために、点滴による利尿薬の使用や、頭を冷やす処置が行われることがあります。
脳出血が大きい場合や、脳が強く圧迫されている場合には、外科的手術によって、脳内の活動性出血を止めたり、シャント設置や溜まった血液の除去などによる脳圧コントロールが必要になることもあります。また、けいれんがある場合には抗けいれん薬を使用します。重症患者さんの場合、綿密な観察と迅速な介入を行うために小児集中治療室でのモニタリングが標準的です。
その他にも、眼の損傷が疑われる場合は、眼科医の診察を受け、視力を守るための治療を行います。さらに、全身状態や栄養状態の管理、リハビリテーション医療も重要です。
残念ながら、一度受けた脳損傷を完全に元通りにする治療はありません。したがって、揺さぶられっ子症候群では「予防」が何より大切であり、揺さぶられること自体を避けることが最も有効な対策です。治療は急性期の対応に加え、後遺症に対する長期的なリハビリや療育支援が不可欠です。
宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
(参考文献)
こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。
この記事をシェアする
治療が必要な患者様へのお願い
揺さぶられっ子症候群
の方は説明を必ずお読みください
こちらのQRコードを
スマーフォンのカメラで読み取ってください
QRコードを読み取るだけ 非接触で安心
一問一答なので 読むのが簡単
どんな治療をするべきか 納得して取り組める
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ医療AIパートナー ユビー
24時間いつでも健康の悩みを気軽にチャットで相談できるあなただけの医療AIパートナー。なんとなく不調な時や人に相談しづらい悩みがあるときも、どんな相談もOKです