揺さぶられっ子症候群はどのくらいの強さで揺さぶると発症しますか?

乳児はわずかな揺さぶりでも発症の可能性があり、安全な揺さぶりは存在しません。

解説

揺さぶられっ子症候群は、数秒の激しい揺さぶりでも発症する可能性があります。

揺さぶられっ子症候群は、乳幼児が激しく揺さぶられることで起こる脳の損傷です。乳児は体の大きさに比べて頭が大きく、首の筋肉や脊椎が未発達で、脳が頭蓋骨内で揺れて壊れやすいため、このような加速・減速や回転の力に対して非常に脆弱です。外部からの衝撃(赤ちゃんの頭が地面にぶつかるなど)がない、ほんの数秒の激しい前後・回転運動でも、頭蓋骨内の血管や神経が裂けて、重度の脳損傷を引き起こす可能性があります。

発症に必要な「具体的な力の大きさ」は家庭で測定できるものではありません。研究や事故報告によれば、短時間(数秒)でも頭部を前後に急激に動かすだけで、重篤な脳損傷が起こることがあるとわかっています。揺さぶる強さや回数はさまざまですが、乳児の頭や首を完全に支えずに急に振る行為は、わずかな力でも危険です。つまり、「どのくらいの力なら安全」という目安はなく、揺さぶる行為自体が危険行為と考えるのが原則です。

安全のためには、赤ちゃんが泣いても無理に揺さぶらず、ベッドに寝かせて落ち着くまで待つ、保護者が一時的に離れて深呼吸するなど、リスクを回避する行動が重要です。短時間でも力をかければ、SBSは発症する可能性があるため、絶対に揺さぶらないことが予防の基本です。

公開日

最終更新日

宮城県立こども病院 小児科

谷河 翠 監修

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