偽膜性腸炎の診断基準を教えてください。
大腸内視鏡検査で「偽膜」を確認して診断します。便の検査だけで診断をして、治療をすることも多いです。
偽膜性腸炎とは、大腸の粘膜に「偽膜」と呼ばれる白く円形の膜が多数できる腸炎のことです。大腸内視鏡検査で偽膜が確認できれば、「偽膜性腸炎」と診断されます。
一方で、偽膜性腸炎の主な原因菌は、Clostridioides difficile(クロストリジオイデス・ディフィシル)であるため、「クロストリジオイデス・ディフィシル腸炎(CD腸炎)」、あるいは「クロストリジオイデス・ディフィシル感染症(CDI)」とも呼ばれます。
「Clostridioides difficile 感染症診療ガイドライン 2022」によると、CDIの診断基準は以下の通りです(一部意訳)。
1. 下痢があり、便の検査で以下のいずれかが陽性となる
- ①毒素の検査
- ②菌の遺伝子検査
- ③菌の培養検査
- ④大腸内視鏡検査で偽膜性腸炎を確認
2. 下痢は24時間以内に3回以上、または普段よりも多い便回数で、泥状もしくは水様便を目安とする
3. 下痢がなく、イレウスや中毒性巨大結腸症になることがある
まとめますと、「偽膜性腸炎」の診断のためには大腸内視鏡検査が必要です。しかし、クロストリジオイデス・ディフィシル感染症の診断には、便の検査と症状だけで十分なことが多く、大腸内視鏡検査を行わずに診断して、治療をすることが多いです。
医療法人社団明世会成城内科 消化器科
重松 秀 監修
(参考文献)
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