偽膜性腸炎の症状は?偽膜性腸炎
監修医師吉岡 藍子消化器内科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03
偽膜性腸炎とは
抗菌剤の内服治療後に腸内細菌のバランスが崩れて起こる腸炎です。下痢を引き起こします。免疫力の低い場合は繰り返すこともあります。
偽膜性腸炎の「偽膜」とはなんですか?
偽膜とは、腸の粘膜にできる黄色〜白色の膜で、壊れた粘膜の細胞・白血球・細菌・粘液などのかたまりです。
偽膜とは、腸の粘膜にできる黄色~白色の膜のような物質で、壊れた腸の細胞・白血球・粘液・細菌などが混ざり合って固まったものです。
偽膜性腸炎では、主にClostridioides difficile(クロストリジオイデス・ディフィシル)という菌が毒素を作り出し、腸の粘膜が損傷を受けます。その結果、強い炎症が起きて粘膜が剥がれ落ち、そこに白血球や粘液が付着して、偽膜が腸の表面に形成されるのです。
この偽膜は、内視鏡検査で直接確認されることもあり、診断の手がかりとなる特徴的な所見とされています。
「偽膜性腸炎」とはどのような病気ですか?
腸管の粘膜に「偽膜」と呼ばれる白色の膜が形成される腸炎のことを偽膜性腸炎と言います。
腸炎のうち、腸管の粘膜に「偽膜」と呼ばれる白色円形の膜が多数形成されるもののことを、偽膜性腸炎と言います。
偽膜性腸炎の多くは、抗菌薬を使用することにより腸内細菌のバランスが崩れ、抗菌薬に耐性を持つ菌が増えること(菌交代現象)によって起こることが知られています。菌のなかでも、Clostridioides difficile(クロストリジオイデス・ディフィシル)という菌が原因となることが多いです。
偽膜性腸炎の症状
偽膜性腸炎には初期症状はありますか?
重症化する前の初期症状として下痢、発熱、腹痛が起こります。
偽膜性腸炎が重症化する前の初期症状として、下痢(時に血便)、発熱、腹痛が起こります。
ただし、風邪などでも見られる症状のため、症状だけで気づくのは難しいかもしれません。上記症状に加えて、抗菌薬の服用に心当たりがある場合は、偽膜性腸炎の原因として多いClostridioides difficile(クロストリジオイデス・ディフィシル)による腸炎の可能性が考えられます。偽膜性腸炎か否かを判断するために、便の毒素を測定する検査などを行うことがあります。
偽膜性腸炎ではどのような症状がありますか?
下痢、発熱、腹痛が主な症状です。重症化すると、脱水や結腸穿孔(大腸に穴があくこと)など命に関わることもあります。
偽膜性腸炎の主な症状は、次の通りです。
主な症状
ただし、症状の重症度は、年齢や元々の健康状態によっても異なります。
また、重症の場合は、下痢による脱水とそれに伴う血圧低下、中毒性巨大結腸症(重度の炎症により腸管が動かなくなって拡張してしまう状態)、結腸穿孔(大腸に穴があくこと)などを引き起こし、命に関わることもあります。
抗菌薬を飲んだ後に、上記のような症状がみられた場合は、軽視せずに医師へご相談ください。
偽膜性腸炎の原因
偽膜性腸炎の原因は何がありますか?
偽膜性腸炎の原因として最も多いのは、抗菌薬の使用です。抗がん剤などのお薬や免疫不全などが原因となることもあります。
偽膜性腸炎の原因として最も多いのは、抗菌薬の使用です。
抗菌薬の使用によって腸内細菌のバランスが崩れ、抗菌薬に耐性を持った菌が増えること(菌交代現象)によって発生します。
原因菌として最も多いのが、Clostridioides difficile(クロストリジオイデス・ディフィシル)と呼ばれる菌です。
そのほかにも、
- 抗菌薬に耐性を持ったブドウ球菌(MRSA)
- 抗がん剤
- 胃薬(胃酸を抑える薬)
- 痛み止めなどのお薬(ロキソプロフェンなどのNSAIDsと呼ばれる種類のもの)
- 外科手術
- 免疫不全
- 腸管虚血(腸管の血流が悪くなること)
などが原因となることもあります。
偽膜性腸炎の検査・診断
偽膜性腸炎のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
偽膜性腸炎になりやすい人の特徴に、以下が挙げられます。
- 抗菌薬を使用している
- 長期入院している
- 高齢者(特に65歳以上)
- 消化管の手術歴がある
- 慢性腎臓病や炎症性腸疾患、悪性腫瘍、白血病などの重篤な病気を合併している
- 経管栄養中(管を通して栄養を補給している)である
- 胃薬(胃酸の分泌を抑える薬)を使用している
なお、偽膜性腸炎の主な症状は下痢(時に血便)・発熱・腹痛であり、風邪などでも見られる症状のため、症状だけで気づくのは難しいかもしれません。症状があり上記特徴に心当たりがある場合は、医師へご相談ください。
また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、うつ病かどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。
偽膜性腸炎の診断基準を教えてください。
大腸内視鏡検査で「偽膜」を確認して診断します。便の検査だけで診断をして、治療をすることも多いです。
偽膜性腸炎とは、大腸の粘膜に「偽膜」と呼ばれる白く円形の膜が多数できる腸炎のことです。大腸内視鏡検査で偽膜が確認できれば、「偽膜性腸炎」と診断されます。
一方で、偽膜性腸炎の主な原因菌は、Clostridioides difficile(クロストリジオイデス・ディフィシル)であるため、「クロストリジオイデス・ディフィシル腸炎(CD腸炎)」、あるいは「クロストリジオイデス・ディフィシル感染症(CDI)」とも呼ばれます。
「Clostridioides difficile 感染症診療ガイドライン 2022」によると、CDIの診断基準は以下の通りです(一部意訳)。
1. 下痢があり、便の検査で以下のいずれかが陽性となる
- ①毒素の検査
- ②菌の遺伝子検査
- ③菌の培養検査
- ④大腸内視鏡検査で偽膜性腸炎を確認
2. 下痢は24時間以内に3回以上、または普段よりも多い便回数で、泥状もしくは水様便を目安とする
3. 下痢がなく、イレウスや中毒性巨大結腸症になることがある
まとめますと、「偽膜性腸炎」の診断のためには大腸内視鏡検査が必要です。しかし、クロストリジオイデス・ディフィシル感染症の診断には、便の検査と症状だけで十分なことが多く、大腸内視鏡検査を行わずに診断して、治療をすることが多いです。
偽膜性腸炎の治療・対処法
偽膜性腸炎への対処法は?
適切な薬による治療が必要です。専門の医療機関へ受診してください。
偽膜性腸炎の治療期間はどれくらいですか?
一般的な治療期間は10日間です。再発の場合は、より長期間治療することがあります。
一般的な偽膜性腸炎の治療期間は10日間です。再発の場合は、より長期間治療することがあります。また、治療期間は初発(初めて診断された)、再発(一度治療を終えて再び症状がぶり返した)によって異なります。
一般的な治療内容は、以下の通りです。
初発
- メトロニダゾール(フラジールⓇ、アネメトロⓇ):1回500mg 1日3回 10日間
- バンコマイシン(バンコマイシン塩酸塩散Ⓡ):1回125mg 1日4回 10日間 *重症例では1回500mg投与することがある
- フィダキソマイシン(ダフクリアⓇ):1回200mg 1日2回 10日間
再発
- バンコマイシン(バンコマイシン塩酸塩散Ⓡ):初発時と同用量を10~14日間、再発を繰り返す場合は、数週間かけて投与量を徐々に減らす
- フィダキソマイシン(ダフクリアⓇ):初発時と同じ治療
偽膜性腸炎は再発する頻度が比較的高い病気です。症状が改善しても自己判断で治療を中止せず、処方された薬は最後まで服用しましょう。
偽膜性腸炎の場合、主にどのような治療をしますか?
治療は原因により異なりますが、主に元々使っていた抗菌薬を中止し、別の抗菌薬と整腸剤を使用します。
偽膜性腸炎の治療は、原因により異なります。
偽膜性腸炎の原因として最も多いのはClostridioides difficile(クロストリジオイデス・ディフィシル)という菌によるものです。そのほかに抗がん剤などのお薬や免疫不全などが原因となることもあります。
例えば、Clostridioides difficileが原因となっている偽膜性腸炎の場合は、次のような治療を行います。
- 可能であれば元々使用していた抗菌薬を中止する
- Clostridioides difficileに有効な抗菌薬を使用する
- 整腸剤(腸の調子を整える薬)を併用する
- 下痢止めの薬は、毒素の排出を妨げる可能性があるため使用しない
受診の目安・何科を受診するべきか
偽膜性腸炎を放置するとどうなりますか?
偽膜性腸炎を放置すると、命にかかわる重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
偽膜性腸炎を放置することで症状が進行し、命にかかわる重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
軽症の場合は、偽膜性腸炎の原因となった抗菌薬を中止、または変更することで20~25%の患者さんは自然に症状が改善します。また、脱水がある場合には、点滴による水分補給を行います。
しかし、次のような場合には、薬物療法が必要になります。
- 抗菌薬の中止で症状が改善しない
- 抗菌薬の中止が難しい
- 下痢や脱水などの症状が重い
偽膜性腸炎を放置すると、以下のような重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
中毒性巨大結腸症
強い炎症により腸が動かなくなり、異常に腸が拡張します。腸穿孔や敗血症に進展するリスクが高いです。
腸穿孔
毒素や炎症による腸へのダメージの結果、腸に穴があきます。あいた穴から腸内の便や菌がお腹の中に広がり、急性腹膜炎や敗血症などの重篤な状態になります。
敗血症
全身に細菌や毒素が広がり、強い炎症反応によって、生命を脅かす臓器障害が起きます。
偽膜性腸炎は、早期の診断と治療が極めて重要です。疑わしい症状がある場合は、速やかに医師の診察を受けましょう。
偽膜性腸炎の名医の探し方を教えてください。
専門医資格や学会認定施設から探す方法があります。また、かかりつけ医に相談してもよいでしょう。
「偽膜性腸炎の名医」を探すには、どの医師が専門で信頼できるかを見極めることが大切です。以下の方法がおすすめです。
学会の専門医や認定施設を確認する
日本消化器病学会の公式サイトでは、都道府県ごとの専門医や認定施設のリストを確認できます。
認定施設とは、学会が定めた基準を満たし、消化器病の専門医を育成できる医療機関のことです。これらの施設には、消化器系の病床が一定数以上あり、指導医や専門医が常勤していることが条件とされています。
かかりつけ医に紹介してもらう
信頼できるかかりつけ医に相談することも大切です。専門的な治療が必要と判断された場合には、紹介状を書いてもらうことでスムーズに診療が受けられます。
オンライン相談を活用する
医療相談サービスを利用すると、専門医を受診すべきかどうかのアドバイスを受けられます。
Ubieでは「かんたん医師相談」から、気軽に医師に相談することも可能です。
偽膜性腸炎が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?また、病院を受診する目安はありますか?
抗菌薬使用中に下痢、発熱、腹痛の症状が現れた場合は、まず抗菌薬を処方された病院で相談しましょう。
抗菌薬使用中に下痢、発熱、腹痛の症状が現れた場合は、まず抗菌薬を処方された病院へご相談ください。偽膜性腸炎の可能性もありますが、一般的な抗菌薬に関連した腸炎の可能性もあります。
それでも症状が改善しなかったり、頻回な下痢、血便など症状が強い場合は、消化器内科を受診しましょう。偽膜性腸炎か否かを判断するために、便の毒素を測定する検査などを行うことがあります。
偽膜性腸炎の専門医がいる近くの病院はありますか?
偽膜性腸炎の専門医がいる病院を見る偽膜性腸炎の経過・予後
偽膜性腸炎は再発しますか?
偽膜性腸炎は再発することがあります。
偽膜性腸炎(クロストリジオイデス・ディフィシル腸炎)は、適切な治療をしても、約30%の割合で再発します。これは、偽膜性腸炎の原因菌であるクロストリジオイデス・ディフィシル菌が「芽胞」という特殊な構造を形成するためです。
芽胞は酸・熱・乾燥・薬に対して高い耐性を持ち、治療を受けても完全に死滅せず、体内に残ることがあります。治療によって菌の数が一時的に減っても、芽胞が腸内にとどまり、再び増殖を始めることで偽膜性腸炎が再発します。
偽膜性腸炎に関連するその他の質問
偽膜性腸炎になった場合、絶食期間はどのくらいですか?
必ずしも絶食が必要ではありません。病状に応じて一時的な絶食はありますが、絶食期間は人それぞれです。
偽膜性腸炎になった場合、必ずしも絶食が必要なわけではありません。
一般的には、腹痛・嘔吐・下痢などの症状が非常に強い場合や、低血圧・イレウス・腹膜炎などの重篤な合併症がある場合に、一時的に絶食することはあります。この場合、病状に応じて食事の再開を検討するため、絶食期間について一概には言えません。
偽膜性腸炎だけではなく、細菌性腸炎、ウイルス性腸炎などの腸炎でも、口から食事や水分を摂取できるのであれば、下痢があっても胃腸に優しい食事をとることが推奨されています。
参考文献
CDI 診療ガイドライン作成委員会編.“Clostridioides difficile 感染症診療ガイドライン 2022”.日本感染症学会.https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/guideline_cdi_230125.pdf,(参照 2024-07-09).
JAID/JSC 感染症治療ガイド・ガイドライン作成委員会 腸管感染症ワーキンググループ.“JAID/JSC 感染症治療ガイドライン 2015―腸管感染症―”.日本感染症学会.https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/guideline_JAID-JSC_2015_intestinal-tract.pdf,(参照 2024-07-09).
偽膜性腸炎の薬で、抗生物質を飲むとお腹が張りますか?
抗生物質でお腹が張ることがあります。偽膜性腸炎の影響でもお腹が張ることがあるため注意が必要です。
偽膜性腸炎に対する抗菌薬の影響で、お腹が張ることがあります。
偽膜性腸炎の治療には、バンコマイシンやフィダキソマイシンなどの抗菌薬が使用されます。これらの薬は主に腸内で作用し、偽膜性腸炎の原因菌であるClostridioides difficile(クロストリジオイデス・ディフィシル)と、その毒素を抑える効果があります。一部の人は、服用中にお腹の張りや吐き気などの症状が出ることがあります。
ただし、偽膜性腸炎そのものの影響でも、お腹の張りや吐き気などの症状が起きることがあるため、注意が必要です。
特に、以下のような重篤な合併症が起きると、お腹の張りだけではなく、嘔吐や激しい腹痛、発熱などの症状が現れます。
- 中毒性巨大結腸症:強い炎症により腸の動きが止まり、異常に腸が拡張してしまう状態
- 腸閉塞:腸の内容物が通らなくなり、詰まってしまう状態
治療を始めても症状がよくならない場合や、急に症状が悪化した場合は、速やかに医師に相談することが大切です。
参考文献
CDI 診療ガイドライン作成委員会編.“Clostridioides difficile 感染症診療ガイドライン 2022”.日本感染症学会.https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/guideline_cdi_230125.pdf,(参照 2025-06-24).
ゼリア新薬工業株式会社.“ダフクリアⓇ錠 200mg 医薬品インタビューフォーム(2004年7月改訂 第8版)”..https://medical.zeria.co.jp/di/dafclir/pdf/%E3%83%80%E3%83%95%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%A2%E9%8C%A0200mg_%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A0.pdf,(参照 2025-06-24).
偽膜性腸炎の便の色は何色ですか?
便の色はさまざまで決まった色はありません。
偽膜性腸炎の便の色は、一定ではありません。このため、便の色をもとに偽膜性腸炎を疑うことは困難です。
ただし、通常の下痢に加えて血便が見られることはあります。
偽膜性腸炎の多くは、抗菌薬の使用によって腸内細菌のバランスが崩れ、抗菌薬に耐性を持った菌が増えること(菌交代現象)によって発生します。原因菌として最も多いのが、Clostridioides difficile(クロストリジオイデス・ディフィシル)と呼ばれる菌です。このほか、抗がん剤や胃薬(胃酸を抑える薬)、痛み止め(ロキソプロフェンなどNSAIDs)などのお薬や、外科手術、免疫不全などが原因となることもあります。
偽膜性腸炎は、人から人にうつる病気ですか?
はい。人から人に感染することが多く、特に病院内での感染の原因となります。
偽膜性腸炎の原因として最も多いClostridioides difficile(クロストリジオイデス・ディフィシル)という菌は、人から人に感染します。このため、偽膜性腸炎はうつる病気ともいえます。
Clostridioides difficileへの感染は経口感染であり、医療従事者や患者さんの手指を介して感染するため、対策が重要です。またアルコールが無効であり、消毒の際は次亜塩素酸ナトリウムが有効です。
医療機関の場合の対策
感染を防ぐための個室隔離やマスク、ガウン、ゴーグルなどの接触感染予防策を行います。
家庭の場合の対策
感染者と接触した際の手洗いや、次亜塩素酸ナトリウムを使った消毒が有効です。
偽膜性腸炎と偽膜性大腸炎の違いを教えてください。
「偽膜性腸炎」と「偽膜性大腸炎」は同じ病気です。違いはありません。
偽膜性腸炎と偽膜性大腸炎は、実際には同じ病気を指す用語です。
偽膜性腸炎は、腸管の粘膜に「偽膜」と呼ばれる黄色~白色の膜が多数形成される腸炎です。偽膜は壊れた粘膜の細胞・白血球・粘液・細菌などからなります。
この偽膜は、特に直腸からS状結腸にかけての大腸に発生することが多く、大腸全体に広がることもあります。小腸まで広がることは非常にまれです。
文献上、偽膜性腸炎、偽膜性大腸炎のいずれも用いられており、両者に違いはありません。
参考文献
CDI 診療ガイドライン作成委員会編.“Clostridioides difficile 感染症診療ガイドライン 2022”.日本感染症学会.https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/guidelinecdi230125.pdf,(参照 2025-06-24).
Brian W Hurley et al. The spectrum of pseudomembranous enterocolitis and antibiotic-associated diarrhea. Arch Intern Med. 2002, 162, 2177-84.
Priya D Farooq et al. Pseudomembranous colitis. Dis Mon. 2015, 61, 181–206.
偽膜性腸炎の重症度はどのように決まりますか?
重症度の定義は多々ありますが、国内外で統一された重症度分類はありません。
偽膜性腸炎の重症度に関する定義は多くありますが、現時点では国内外で統一された重症度分類はありません。
各国のガイドラインや研究者が提唱する重症度分類の「重症」に含まれる項目としては、以下のものがあります。
- 38.5 ℃以上の発熱がある
- 低血圧、イレウス、腹膜炎、腸管穿孔などを合併している
- 採血で白血球数15000 /μL以上
- 採血で血清クレアチニン1.5 mg/dL以上
- 採血で血清アルブミン2.5 g/dL以下
- 画像検査で大腸が異常に拡張している
- 画像検査で大腸の壁が分厚くなり、周囲に炎症の所見がある
ただし、先述の通り上記の項目の有無だけで重症かどうかが決まるわけではありません。
また、各国のガイドラインや研究者が提唱する重症度分類では、死亡率の予測や治療薬の選択にはあまり有用ではないということがわかっています。
偽膜性腸炎について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「偽膜性腸炎」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- お腹の痛みがありますか?
- 体温は37.5℃以上ですか?
- 抗生物質を服用していますか?あるいは最近まで服用していましたか?
- 便がゆるいか、あるいは下痢をしていますか?
- お腹を押したときに激しい痛みを感じますか?
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この記事の監修医師
吉岡 藍子
消化器内科・内科
消化器内科医の吉岡藍子と申します。 これまで大学病院や市中病院、健診センターでの内視鏡業務などを通して、消化器領域を幅広く経験してまいりました。 診療の現場では、専門的な用語や複雑な病状の説明に、患者様が戸惑いや不安を感じる場面に何度も出会いました。医療機関で提供される膨大な情報を前に、混乱されてしまう方も少なくありません。そこで、ご自身の病気や体、そして健康について、一人でも多くの方が正しく理解できる環境を作りたいという想いから、ユビーの活動に参加させていただいております。皆様が正しい医学知識に普段から触れ、安心してご自身の健康と向き合えるよう、分かりやすい情報提供に努めてまいります。 【経歴】 新潟大学医学部卒。 新潟県内外の市中病院、大学病院で勤務。 新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野にて博士取得。 2022年からユビーに入社し、横浜市で健診内視鏡診療を兼務。
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03