「去勢抵抗性前立腺がん」の原因やなりやすい人の特徴には、何がありますか?
原因は男性ホルモンを抑えても前立腺がんが増殖できることで、もともと高悪性度の前立腺がんはなりやすいです。
「去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)」の原因は、前立腺がんの細胞が男性ホルモンを抑える治療の効果を弱める仕組みを獲得してしまうことです。
もともとの前立腺がんの悪性度が高いタイプや、進行速度が速いタイプはCRPCに進行することが多いです。
原因としては、具体的には下記のようなものがあります。
- がん細胞にある男性ホルモンの受容体(アンドロゲン受容体:AR)の過剰な増加や過剰な活性化
- AR遺伝子の変化(遺伝子の増幅や変異型の出現)
- がん細胞内でのアンドロゲン産生
去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)は、男性ホルモンを抑える治療中にも関わらず、前立腺がんが進行する状態を指します。
上記の仕組みを獲得することで、男性ホルモンに依存せずに増殖できるようになります。その結果、従来のホルモン療法(去勢療法)では抑えきれない治療抵抗性のがんとなります。
CRPCになりやすいタイプは、具体的には下記の通りです。
- がんの悪性度が高い
- PSAの上昇速度が速い
- 前立腺がんが見つかった時点で転移がすでにある
- 家族性の前立腺がん
前立腺がんに対する根治術後に再発し、ホルモン療法を行った方の予後を検討した研究では、PSA再発時のグリソンスコアが高い場合(グリソンスコア9-10など)や、PSA倍加時間(PSAが2倍になるまでの時間)が10ヵ月以下と短い場合に、その後転移やCRPCへ進行するリスクが有意に高いことが示されています 。
ほかにも、初診時に転移を有する進行がん患者さん、家族性の前立腺がん(BRCA遺伝子などに遺伝子変異を伴うなど)は、標準治療に反応せず比較的早期にCRPCへ至ることがあります。
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
(参考文献)
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