ぜんそく(気管支喘息)が治りにくいのも、「肥満症」が関係していますか?
はい、関係します。肥満症は気道の炎症を悪化させ、呼吸機能を低下させるため、喘息の症状が悪化し、薬が効きにくくなることがあります。
はい、ぜんそく(気管支喘息)の症状がなかなかよくならなかったり、治療がうまくいかなかったりする背景に、「肥満症」が深く関係していることが、近年の研究で明らかになっています。
肥満症が喘息を治りにくくする主な理由は、以下の通りです。
全身の炎症の悪化
肥満によって増えた内臓脂肪は、体内で常に弱い炎症を引き起こす物質(炎症性サイトカイン)を分泌しています。喘息は気道のアレルギー性「炎症」が本体であるため、この全身の炎症が気道の炎症をさらに悪化させ、症状を重く、かつ持続させると考えられています。
呼吸機能への物理的な負担
胸やお腹周りについた過剰な脂肪は、肺や横隔膜を物理的に圧迫し、その動きを妨げます。これにより、肺活量が減少し、肺が膨らみにくくなるため、少しの刺激でも息切れや呼吸困難といった喘息症状が起こりやすくなります。
治療薬の効果の低下
肥満症の人では、喘息治療の基本となる吸入ステロイド薬の効果が、適正体重の人に比べて低下することが報告されています。これは、全身の炎症状態などが薬の効果を妨げているためと考えられています。
胃食道逆流症(逆流性食道炎)の合併
肥満は、胃酸が食道へ逆流する「胃食道逆流症」を合併しやすく、この逆流した胃酸が気道を刺激して喘息の発作を引き起こしたり、症状を悪化させたりすることがあります。
これらの理由から、肥満を伴う喘息患者さんにおいては、喘息の治療と並行して、食事療法や運動療法による減量が、症状をコントロールするうえで非常に重要となります。
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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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