頚髄損傷の場合、日常生活で気をつけることはありますか?
褥瘡や体温調節の管理、血圧の変動などに注意し、リハビリを通じて自己管理の能力を高めることが大切です。
頚髄損傷の場合、日常生活で特に気をつけたい点がいくつかあります。ただし、症状は病気の状況によってさまざまであり、個々で気をつけるべき点は異なることに注意が必要です。
- 頭や首に負担がかかることを防ぐ:傷ついてしまった頚髄が安定して、耐久力が改善するまでには時間を要します。その間、頭や首に再度負担がかかることを避ける必要があります。
- 手指や足のリハビリの継続:通常、筋力が低下してしまった手指や足は、改善までに時間を要します。筋力の改善だけではなく、関節の動く幅が狭くなる「拘縮」をなるべく予防するためにも、定期的なリハビリが重要です。
- 褥瘡(床ずれ)の予防: 感覚が鈍くなっている場所は、長時間同じ姿勢でいると床ずれができやすいため、こまめな体位変換(寝返りや座り直すこと)や、クッションを使うなどして圧力を分散させることが大切です。
- 体温調節の管理: 体温をうまく調節できなくなることがあるため、室温や服装に気を配り、暑くなりすぎないように注意が必要です。
- 排泄の管理: 自分で排泄が難しい場合でも、医師や看護師の指導に従い、定期的に自己導尿などの適切な排泄を行うことで、感染症や腎臓の合併症を防ぐことができます。
- 血圧の変動への注意: 座ったり立ち上がったりする際に、血圧が下がりやすい(起立性低血圧)ことがあるので、ゆっくりと動くことや、腹帯(ふくたい)などを使って、血圧の急な変化を和らげることが有効です。
- 自律神経過反射への対応: 膀胱に尿がたまりすぎた時や、便秘がひどい時などに急に血圧が上がる「自律神経過反射」が起こることがあります。頭痛や冷や汗などの症状が出たら、すぐに原因を取り除く必要があります。
これらのことに気をつけながら、リハビリテーションを継続し、ご自身の体の状態を理解して管理していく「自己管理能力」を身につけることが、快適な生活を送るためにとても重要になります。


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山田記念病院 整形外科 整形外科部長
濱畑 智弘 監修
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