頚髄損傷ではどのようなリハビリをしますか?
筋力強化や関節の動きの練習、基本的な動作の習得、車いすなどの移動の練習、呼吸訓練などを総合的に行います。
頚髄損傷のリハビリテーションでは、患者さんができるだけ自分で生活できるようになることを目指して、さまざまな訓練を組み合わせて行われます。起こってしまった障害によって、必要となるリハビリは異なります。
- 急性期(怪我の直後)のリハビリ: 肺炎や床ずれ(褥瘡)などの合併症を防ぐことが重要です。できるだけ早くベッドから離れて、体を動かす訓練を始め、寝返りや呼吸の練習、関節が固まらないように手足を動かす訓練などを行います。
- 回復期(体が安定した後)のリハビリ
- 筋力トレーニング: 残っている筋肉の力を強くする訓練です。特に、車いすから体を持ち上げるプッシュアップの動作や、長座(足を投げ出して座る姿勢)での移動に必要な腕や肩の筋肉を鍛えます。
- 関節の動きの練習: 関節が固まらないように、また、動作に必要な範囲まで動かせるように練習します。
- 基本的な動作の練習: 寝返り、起き上がり、座ってバランスをとる練習、車いすへの乗り降り、部屋の中での移動など、日常生活で必要な動きをひとつずつ習得していきます。
- 車いすの操作訓練: 手動車いすや電動車いすを使いこなせるように練習します。
- 歩行訓練: 麻痺の程度によっては、装具や杖(つえ)、歩行器やの助けを借りて歩く練習をします。
- 自動車関連の動作訓練: 自動車への乗り降りや、車いすを積み降ろす練習、改造した車を運転するための操作練習も行います。
医師や理学療法士、作業療法士などがチームとなって、患者さんの状態や生活に合わせて、上記に限らず柔軟に訓練計画を立てて進めていきます。


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山田記念病院 整形外科 整形外科部長
濱畑 智弘 監修
(参考文献)
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