RSウイルス感染症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

主に、解熱鎮痛薬などによる対症療法が行われます。

解説

RSウイルス感染症に対する特効薬はありません。そのため、主な治療法は対症療法(病気の根本的治療ではなく現れた症状への対応としての治療)となります。

解熱鎮痛薬

15歳未満の小児には、アセトアミノフェンが用いられます。15歳以上の場合は、解熱薬としてロキソプロフェンナトリウムなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)が用いられる場合もあります。それぞれの副作用は以下の通りです。

アセトアミノフェン

重大な副作用(頻度不明)

ショック、アナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症などの重症薬疹、喘息発作の誘発、肝機能障害、顆粒球減少症、間質性肺炎、間質性腎炎、薬剤性過敏症症候群

その他の副作用(頻度不明)

チアノーゼ、血小板減少、血小板機能低下、嘔吐、食欲不振

ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニンⓇ)

重大な副作用(頻度不明)

ショック、アナフィラキシー、無顆粒球症、中毒性表皮壊死融解症などの重症薬疹、急性腎障害、うっ血性心不全間質性肺炎、消化性潰瘍、消化管穿孔、小腸・大腸の狭窄・閉塞、肝機能障害喘息発作、無菌性髄膜炎、横紋筋融解症

主な副作用(頻度:0.1〜2%未満)

発疹、かゆみ、腹痛、胃部不快感、食欲不振、悪心、下痢便秘胸やけ口内炎、腹部膨満、口渇、眠気、AST上昇、ALT上昇、蛋白尿、むくみ、顔面熱感

去痰薬

アンブロキソールやカルボシステイン、ブロムヘキシンなどが使われます。それぞれの主な副作用(頻度:0.1〜5%未満)は以下の通りです。

アンブロキソール

胃部不快感

カルボシステイン

食欲不振、下痢腹痛発疹

ブロムヘキシン

悪心、食欲不振、胃部不快感、腹痛頭痛

気管支拡張薬の吸入

ゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴の症状が以前にもあった場合、または、ご家族に喘息アトピーの方がいる場合には、気管支拡張薬(短時間作用型β2刺激薬)を用いることがあります。プロカテロール(メプチンⓇ)の吸入薬や、ツロブテロール(ホクナリンⓇ)の貼付薬などがあります。それぞれの主な副作用(頻度 0.1〜5%未満)は以下の通りです。

プロカテロール

動悸、頻脈、心電図異常、血圧上昇、ほてり、震え、頭痛・頭重感、手のしびれ感、めまい、嘔気・嘔吐、気管・咽喉頭部異常感

ツロブテロール

CK上昇(頻度5%以上)、心悸亢進、震え、頭痛、不眠、貼付部位のかゆみ・紅斑、接触性皮膚炎、血清カリウム値の低下

抗菌薬(抗生物質)は、通常RSウイルス感染症に有効ではありません。細菌感染症の合併が疑われた場合には抗菌薬が使用される場合があります。
RSウイルス感染症は、喘息のようなゼーゼーという喘鳴症状が出る場合がありますが、喘息の治療に使われるロイコトリエン阻害薬(モンテルカスト、プランルカスト)は、RSウイルス感染症の症状改善や入院期間短縮には有効ではないとされています。

また、ステロイドの飲み薬も、通常は使われることはありません。しかし、喘鳴を繰り返している場合や、気管支拡張薬に対する明らかな反応(症状が良くなる)がある場合、家族に喘息アトピーの方がいる場合は、喘息の可能性も考えてステロイドが処方されることがあります。

公開日

最終更新日

東日本橋内科クリニック 一般内科

平松 由布季 監修

関連する病気と症状

(参考文献)

こちらの記事は参考になりましたか?
よろしければ、ご意見・ご感想をお寄せください。

こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。

この記事をシェアする

𝕏
初めての方へ

ユビー病気のQ&Aとは?

現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。

病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ
無料で症状を調べる
症状を調べる

症状検索エンジン「ユビー」

体調に不安がある、医療機関への受診を考えている方向けに、20〜30問程度の質問に答えることで、あなたに関連性のある病名や、適切な受診先を無料で調べられます。

さっそく調べる
医療機関を探す
医療機関を探す

お近くの病院をお探しの方へ

「受診科が分からない」「どの医療機関に行ったらいいか分からない」といった悩みは、ユビーの病院検索が便利です。近所の病院も探せるので、ぜひご利用ください。

病院を探す
治療法を調べる
治療法を調べる

治療案内ユビー

自身の治療情報を登録することで、治療の選択肢や使っている薬についてなど、あなたの参考になりそうな治療情報を調べられる機能です。

さっそく調べる
ネットで医師相談
ネットで医師相談

ユビーかんたん医師相談

病院にすぐに行くべきかなど悩んだタイミングですぐに相談。つらくて病院に行けないとき、時間がないとき、夜間や休日などに、いつでも医師に相談できます。

詳しくはこちら

サービスの目的と位置付け

ユビー病気のQ&Aは、情報提供を目的としたサービスのため、医師・医療従事者等による情報提供は診療行為ではありません。
診療を必要とする場合は、医師・医療機関にご相談ください。
当サービスは、信頼性および正確な情報発信に努めますが、内容を完全に保証するものではありません。
情報に誤りがある場合は、こちらからご連絡をお願いいたします。